俺はヴァッシュさんの工房に戻ると、食器洗浄機の代金を支払い、オリハルコン銃の代金の手付金を追加で支払った。
「こんなにどうしたんだ?」
「今度、Aランクに上がることになりまして。」
それだけで、冒険者たちを相手にしているヴァッシュさんには伝わったようだ。
「ほんとにおしいのう。お前さんの年齢が釣り合ってさえいれば……。」
孫娘を嫁に出したいくらいには、気に入ってくれたようだ。俺は笑顔になった。
家に戻り、台所の脇に置く台を出して、さっそくアイテムバッグから取り出した食器洗浄機を設置する。
これで大人数におすそ分けした後も、普段の洗い物も楽になる。魔石は出せばいいだけだし、手に入れられて良かった。
俺は村人たちに分けて貰った食材で調理することにした。
長ネギを出して、醤油、お酢、ごま油、にんにくチューブ、塩、黒胡椒、片栗粉、鶏ガラスープの素、オイスターソース、マヨネーズ、オーク肉(豚肉)、ルルクス(塩気のある小さめのトマト)、ムルソー(こごみ)、チーク茸(エリンギ)、ご飯を用意した。
長ネギをみじん切り、ルルクスをくし切りにして、ボウルの中で鶏ガラスープの素とにんにくチューブと黒胡椒を少々、お酢とごま油を各小さじ1とまぜる。本来塩を加えるが、ルルクスが元々塩気があるので、このままでネギ塩ルルクス(トマト)の完成だ。
ムルソーの根本を切り落とし、渦巻き部分を引っ張って、優しく撫でるように洗う。小さな棘に見える葉は食べられるので取らない。鍋にたっぷりのお湯を沸かして塩を入れ、ムルソーを1分茹でる。
ザルにあけて水気を切り、いったん冷凍庫で少し冷ましてから、食べやすい大きさに切って、醤油をかけたマヨネーズをそえたらムルソー(こごみ)のお浸しの完成だ。
朝採りのこごみのお浸しのほろ苦さは、子どもでも夢中になる味だ。少なくとも俺はそうだった。
チーク茸を縦に割いて、オーク肉は一口サイズに切る。フライパンにごま油を引いて中火で熱し、チーク茸とオーク肉を並べて焼き色がつくまで焼いたら、鶏ガラスープの素小さじ1、醤油小さじ2、オイスターソース大さじ1、水を加えて煮込む。
火が通ったら水溶き片栗粉を加えてとろみをつけてチーク茸(エリンギ)とオーク肉(豚肉)のオイスターソース煮込みの完成だ。
俺は大金が手に入ったので、酒屋で酒を買ってきていた。バラモッシュという酒でウイスキーにあたる。
炭酸と氷を出してハイボールにする。
まずはこごみのお浸しを一口。
これこれこれ!天ぷらもいいけど、やっぱりこごみはお浸しだよなあ。ほんのりとした苦味と旨味がたまらない。朝採りを朝茹でて食べた時と言ったらもう!それだけで、腹いっぱいに出来る自信がある。
ネギ塩トマトも酒に合う味で、俺はグビッとハイボールをあおる。ごま油と塩の組み合わせ最強過ぎだ。直接素材に塩が染み込んでいるから、こっちの方が酒にもあうし、料理にもあうな。
エリンギと豚肉のオイスターソース煮の段階でご飯をかきこむ。
オイスターソースは後から日本に入ってきたのに、なんだってこんなに米に合うんだろうな。1膳食べたら残りはツマミにする。
バラモッシュはほのかにレモンのような香りが鼻からぬける美味い酒だった。ボウモアに似てるかな?こちらのほうがよりフルーティーな感じがするな。バラモッシュの方が好きかも知れない。
ロンメルさんが出してた食材はミノタウロス以外はSランクだと聞いたし、やるならそれにしたいな。また食べたいし。
頑張って金を貯めて、Sランクに対抗出来る盾を調べないと。
そう思いながら大満足で酒を飲み終えた。
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