ちなみにカルシウム5、マグネシウム2、カリウム1が一番栄養の吸収がいいとされている。
今日は風もないから、粉タイプの苦土石灰をまくのにちょうどいい日だな。
風があると粉タイプはすぐに飛んでいってしまうから、日を改めなくてはならなくなる。
苦土石灰を1平方メートルあたりに対して、200グラム程度撒いてやる。
土を酸性から中性、またはアルカリ性に寄せていく為と、カルシウムとマグネシウムを土に与える為だ。
かきがら石灰だと分解に時間がかかるから、撒いてからすぐに作物を植えられるというメリットがあり、土日しか畑をいじれない時はたまに使っていたが、一度も掘り起こしていない土であることを考えると、時間をかけて一度基本を作りたいと思った。
苦土石灰を撒いた土をさらに耕して土と混ぜてやる。これで1度、1週間から2週間、間をあけてから、鶏糞と腐葉土を混ぜてやるだけでも、じゅうぶん美味しい野菜が取れるようになる。
使うものは人それぞれだと思うが、うちは親父がそうだったので鶏糞派だ。
たまに生ゴミが分解されたやつも使う。
ただ粘土質の土が混ざっているから、川砂も混ぜてやらないといけないな。
このままじゃ根を張りにくくなっちまう。
この土の感じだと、以前耕したことのある土と性質が似てるから、苦土石灰が200グラムでも、多いということはないだろう。
いったん今日出来ることは終わったので、朝飯にすることにした。
夢中になってやっていたせいで、朝というか既に昼飯だが。
残りのワイルドボアの肉を冷蔵庫から取り出して、水で洗ってキッチンペーパーで拭き取り、一口サイズに切ってやる。部位はどこでも構わない。大きな筋だけ取り除いてやり、下茹でしたものを、もつ煮を作る時のようにお湯で洗ってやる。
ごま油でキツネ色になるまで、にんにくを炒める。
肉を鍋に戻して、酒、醤油、みりんを肉800グラムに対して大さじ4、三温糖を大さじ1、炒めたにんにくと、唐辛子を入れ、浸る程度の水で煮る。
にんにくと唐辛子は多ければ多いほどピリ辛でうまいが、苦手な人はお好みでいい。
三温糖の代わりに砂糖でもいいし、三温糖とみりんがなくても構わない。
程よい噛みごたえになったら、落し蓋をして水分を蒸発させながら更に煮込んでやる。味が薄ければ醤油を加える。
水が半分まで減ってしっかり味がついたら、ワイルドボアの爆弾煮の出来上がりだ。
そのまま食べても酒のツマミにもいい。どの部位を使ってもいいというのが、作りやすくていいところだと思う。
ジップロックに入れておいた塩麹漬けのワイルドボアの肉を冷蔵庫から出し、塩麹をざっとペーパータオルで拭う。この時決して水で洗わないのがポイントだ。
既に肉は叩いてあるが、細かくフォークで刺しておく。
卵を箸で縦に切るように溶いてサラダ油を小さじ1加えて混ぜ、薄力粉、溶き卵、パン粉の順にワイルドボアの肉につけ、余分なパン粉を落としてやる。下味がついているので塩コショウはしない。
衣をつけたら15秒ほどなじませる。
ここで二度付けをする。もう一度薄力粉、溶き卵、パン粉の順に付けてやり、今度は10分放置して衣をなじませる。
フライパンに薄くサラダ油を注ぎ、衣をつけたワイルドボアの肉を入れ、更にその上からヒタヒタになるまで油を注ぐ。
ここで初めて火を付け、弱火から徐々に弱火と中火の間くらいの火にしてゆき、ジワジワと油の温度を上げていく。
大体10分で100度くらいまで上がるので、ゆっくりと揚げ焼きにする。
パン粉が定着するまでは触れずに、じっくりと片面を揚げてやり、ひっくり返して更に4分加熱する。
衣がキツネ色にはならないが、中に火は通っているので問題ない。
1度フライパンから肉を取り出し、今度は油の温度を180度に上げて、両面をキツネ色になるまで1分ずつくらい揚げ焼きする。色が変わるなら30秒でもいい。
切って並べてワイルドボアのトンカツの完成だ。