目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
◆死に魅入られた者 3

 これはパンドラの箱と同じ。触れてはならない禁忌なのだとしても、どうしてそれを開けずにいられよう。



 少女に迷いは一切なく、その扉を開いた。





《蝶池神社》

 泡沫市泡沫町☓☓☓

 蝶の形をした《蝶池》が人気スポット。



 この池には《終焉を告げる金色の蝶》の都市伝説があり――蝶の池に眠る金色の蝶に願えば、望んだ終焉が訪れる、告げられるという。


《鍵》


・深夜0時に行くこと


・必ずひとりであること


・供物を捧げること




 神社の画像はないし、供物が何なのかさえも書かれていない。月並みな約束事だけが書かれているだけ。



 真実味は薄いだろうが、それでもいい。その謎がまた、心を高揚させる最高のスパイスになるのだから。




「泡沫市なら、電車で3時間くらいかしら。今からさっそく切符を手配して……」





 少女は無我夢中で手を動かす。どんな都市伝説も面白かったものの、いつも退屈でしかたなかった。




 ――これで、ようやく永年の夢が叶うのね。




この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?