夜の帳が下ろされた背景には、金色の蝶が無数舞っている。それは巫女舞いのように神聖で、人の目を惹きつけ捉えて離さない。
朧月のようにぼんやり浮かぶ月色の文字で、初心者でもわかりやすくメニューが表示されている。どうやらここは、珍しい都市伝説を収集して載せているサイトのようだ。
その中で一際強く惹かれたものがある。
《終焉を告げる金色の蝶》
終焉。――ああ。この言葉を見聞きするだけで、歓喜してしまう。
抗えない快楽、依存。
死は、少女を愚者にする。
たとえ最果てに墜ちようと、そんなものは些細な事でしかないのだから。少なくとも少女にとってはの話だが。