椿灯夏
ホラー都市伝説
2025年01月05日
公開日
2,909字
連載中
「死を想うのは。――生きたいと想うこと、なんじゃないですか。それに、あなたには待ち人がいる。その人と約束をしたのなら帰るべきですよ。どんな人との約束でも」
《終焉を告げる金色の蝶》の都市伝説。
どうせ虚構なのだと自覚しつつも、《蝶池神社》に足を運ぶ。
蝶の池に眠る金色の蝶に願えば、望んだ終焉が訪れる、告げられるという。
終焉の幻想が今始まる。
《死想の少女》
月伽
《どこか神秘的で、胡散臭い男》
ローエン
《死呪う少年》
希石
《蒼紫の蝶》
柊
《翠緑の蝶》
楪
他コンテスト参加作品になります。
◆死に魅入られた者 1
この世に生を受けたから、生きなければいけない。
でもそれは。
――誰が決めたこと?
少女は死に対して、美しい幻想を抱いていた。生まれながらにして“死”を心から愛し、成長するにつれてそれは、深く深く根づいてゆく。
深夜。少女はネットの海を彷徨い歩く、都市伝説などの噂を収集するために。
いつものようにパソコンに向かい、淡々と読み流す。それはさながら儀式のようで、もうルーティンになりつつある。
そして少女は、ある都市伝説にたどり着く。