戦地に向かう中で敵の説明を受けるルナ。
今回の敵、
―――体長3~5mの人型小型竜。
その鱗は恐ろしく固く、しかも防護魔力を
更に攻撃は魔力に瞬間的にしか頼らない種の為、ジャミング照射を嫌わず、縮地術での瞬間跳梁を駆使して突進し巨大牙で
瞬く間に前衛布陣を壊滅され。勢いに乗り、群れで山なり状に一斉襲撃してくる〈縮地津波〉により絶体絶命となる本部隊。
そこへ到着し、直ちに加勢するBROS。
早速遠隔魔法〈
群れを散らし、更に〈鉄拳制裁・アイロンフィスト〉で
だがそれにも堪え、逆にジャミングを射ち返して魔法を妨害してくる。
そこで例の剣を手にしたBROSが魔法転移で敵中心部に背中合わせで出現、フルに魔力を湛えて構え、互いに180
〈ダイモン・スラッシュッ!〉
唸りを上げ魔光を放つ剣。二人合わせて360度の眩い光の高速衝撃波が波紋状に広がると、一気に数百の胴体を真っ二つに。
オオ~と思わず呻るルナ。
次撃への魔力チャージの間、触発されたルナも拳を握り敵に挑む。
人型爬虫類の長も『グヌ~、絶対に魔法を使わせるな!』 と全隊で猛然とジャミングを乱射してくる。
「魔法なんて関係ない! 遂に侵略者との戦い……今度は遠慮は要らないね、行くぞ!」
ドゴォ――――――ン……
超音速正拳突き、蹴りの猛攻。その一秒は爆速で移動しながらの300撃。喰らった数百体が遥か吹っ飛ぶ。その一発の威力でさえ戦車の大砲以上。
だが、よろめくも立ち上がり、また向かって来る。
「ナニッ……百倍のパワーでも?! って、どんだけタフ? ボクシング漫画の主人公かっ」
尋常でないルナの攻撃に人型爬虫類も必死で反撃、全軍山なりの音速級パルス跳梁〈縮地大津波〉を発動し、気づけば怪物群が目前に迫る。
恐怖で硬直してしまう正規軍。
「だったら最大、『万倍』だっ!!」
不可視の猛爆正拳突き、連撃蹴りで装甲皮膚をブチ抜き撃破。摩擦で燃え光る数百もの軌跡の残像だけが寸時見えて煙立つ大地。
一瞬で数百体の解体の山。
「やっぱ悪者はブチのめすに限る! ボク、もはや人間兵器だね!! それとこのヌンチャクも!」
「シャアァ―ッ」
残敵のワニ口から無数のジェット噴出毒が。だが超速ヌンチャク風圧で易々と弾き、
只でさえ速すぎて見えないと言われたこのヌンチャク
「うおおお―――っ! やっぱヌンチャクはイイ―――ッ!」
爆嵐の風圧で敵ごと吹っ飛ばす。
突撃も万倍の速さとパワー。
あり得ぬ回転速度で生じるヌンチャク特攻の猛襲は瞬く間に戦場を『ハンドミキサー』にかけたかの様なバラバラの惨劇に
そしてそこには人型爬虫類の青緑色の血と原型を留めない肉片の山だけを築いた。
焦る統率魔導師が大型恐竜程の魔大蛇を召喚、その口から周囲を一呑みする巨大火炎を放出。再び魔法瞬間移動で上空へと
ルナはヌンチャク風圧で火焔を弾く。
そこへBROSは掌を怪物へ向けて、『ルナちゃん避けて!』と反撃の爆裂魔法を準備。
「ちょっと待って!」
来た来た! 待ってましたこう言うの! もち、練習しときましたよリーサルクロウ!
こいつを超高速でムチ打つ時、その死のカギ爪が超振動を起こして触れた瞬間の
で、ヒトの限界を遥かに越えた音速の1万倍でマジ振りすると……
「うなれ、
ブワシャアッッ!
30Mを超える巨体の魔大蛇が一瞬で木っ端微塵。無数のミンチ肉が宙に散り、それがミゾレのように辺り一面ボタボタと降る。
呆気にとられ、恐れをなして逃げようとした魔導師をBROSが氷結魔法で閉じ込めて拘束、戦いは幕を閉じた。
「なんか……兄さん……このコ、容赦無さ過ぎない……?」
「レイさんメイさん! 料理出来ます~? コレ、ハンバーグにどうでしょう!」
少しヤンチャなルナに柔らかな兄目線で微笑むレイ。
「クスッ、ルナちゃんたくましすぎ! でも凄い戦闘力。ステータスも上がってるよ!」
「え、本当?! ……ならもっと魔力込められる様になりた~い! だってまだ今の
にしても得意な事でこ~んなに活躍、更に戦闘経験で強さマシマシ。てか既に力が万倍って無敵スギ! やっぱ神の子救世主か~?
―――でもそう、ボクは必要とされ召喚されたんだ。だったらやってやる! 虐げられてたボクだからこそ遣るべきなんだ!
そ・れ・に!
フラレ体質も卒業なハズ。最高の理解者ゲットでこの異世界で人生リベンジだ!
と、そこへレイの携帯端末に通知音がピコリと鳴った。
目を通すなり歯ぎしりするレイ。隣国で10名ほども少女が拐われたという。
「クソ……今からじゃダメか……」
悔しそうに嘆息するレイメイBROS
その姿を