第一部☆アレク
第七章☆アレクの死
「なんだ?」
北の空を黒く染めて、何かが迫っていた。
「全員戦闘体制!」
アリスは洞窟に隠れているように言われた。
ぎゃーす!
ぎゃおー!
ドラゴンの群れ。
先頭の巨大なドラゴンたちには、他国の兵士らが乗っていた。
「クラウド!テクサク国へ伝令!」
「でも、僕も闘わなきゃ……」
「いいから行くんだ!」
アレクの額のしるしが輝いている。
クラウドは単身テクサク国へ向かった。
「そちらは、どこの国の方々かな?」
アレクの問いに、兵士たちは陰鬱な表情で、
「はるか北の王国より参った。飢饉で食糧不足のため、民が餓死している。豊潤な土地を探しに尖兵として参った」
「この先は通さん」
アレクはアレハンドラと一体化して敵のただなかへ突入した。
ぎゃーす!
ぎゃおー!
取り囲まれて、四方より串刺しにされたアレクはアレハンドラの背からはるか下方へ落下していった。
「アレク団長!!!」
部下たちがなす術もなく蹴散らされて、散り散りになった。
ぎゃーす!
アレハンドラが悲しげに鳴いた。