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第38話 モンスター化


四大Delta級強者のうち、すでに2人がモンスター化の能力を発揮していた。


美月は白竜になり、南側の最前線に立っていた。

青く輝く竜の瞳には冷徹な殺意が宿り、白竜は突如として高らかな咆哮を上げた。その声が空気を震わせ、目に見える波紋を引き起こす

──白竜の咆哮!


白竜の大きな口が開き、破壊的な力を秘めた白い光が交差し、土管のように太いビームとなって前方に向かって放たれた。

その一撃はすべてを貫き、前方100メートルのモンスターを一掃して、灰と化して消えた。

吹雪ジャイアンツのような通常は高い防御力を持つモンスターですら、その一撃から逃れることはできなかった。


美月がモンスター化し放った「白竜の咆哮」は、その威力と範囲により、周囲の探索者たちに衝撃を与え、しばらくその場が静まり返った。

「攻撃範囲広すぎだろう…戦闘が進む中で、前線にモンスターのいない空白地帯が出現するのは初めてだ…」

「これが4段階の遺伝子ロックを解放した強者の力か…。 モンスター化、かっけー!!」

「VIII級の吹雪ジャイアンツを一撃で倒せる人いるんだ……」

「1時間以内にモンスターの群れを殲滅…できそうになった気がする」

「俺たちも頑張らないと!」

「私たちなら絶対できる!!」


その瞬間、南側防衛線の士気は大きく高まり、探索者たちは次々と強力な攻撃手段を展開し、モンスターの殲滅をさらに加速させた。

そして、モンスター化した美月は白竜の咆哮を放った後、一時的に虚弱状態に陥ったが、同時にその貢献値は爆発的に増加し、257,000点に達し、ランキングの1位を確保した。



西側防衛線では、大島蒼悟がゆっくりと浮上し、体に異変が起こり始めた。

まず額の両側から長く曲がった角が生え、肌には黒紅色の鱗が現れ、目は血の色に染まった。

続いて背中にはドラゴンの翼のようなものが生え、足は牛の蹄のようになり、尾椎には長く分岐した赤い尾が伸び、その先端は巨大な蛇の舌のようになった。

ほんの数瞬で、大島の身長は3.5メートルに達し、全身からは邪悪な気配が漂っていた。 その気配はまるで魂の深層から湧き上がるように強烈で、近くにいた探索者たちは思わず後退し、この気配から精神的に影響されない距離を取らざるを得なかった。


シュッ

黒い霧が空中で爆発した。

モンスター化した大島はまるで瞬間移動したかのように元の位置から消え、次の瞬間、悪魔の姿をした彼は100メートル先に現れた。爪での攻撃、角での衝突、尾での掃き払いなど、非常にシンプルな攻撃方法を使ったが、その恐ろしい攻撃速度により、モンスターを次々と撃破していった。


シュッ、シュッ、シュッ、シュッ

悪魔の姿がモンスターの群れの中を次々と瞬時に消えていき、どんなモンスターも彼の瞬間移動のような速度には追いつけなかった。モンスター化した大島はまさに命を刈り取る恐怖の刺客のようで、キル数は美月ほどではないが、西側防衛線の探索者たちにとって、彼の存在は強力な支援となった。

その結果、西側防衛線でのモンスター殲滅速度は大きく向上した。


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モンスターに埋もれた宮本は、まるで疲れ知らずの殺戮マシンのように、その中心で次々とモンスターを撃破していった。

彼の貢献値は、驚異的な速度で上昇し続けた。

32,000… 43,600… 57,200… 70,000… 81,000…


Y社サイトでは、貢献ランキングの数値がどんどん跳ね上がり、かつて名前がランクインしていなかった人物が、突如としてランキング8位に現れた――宮本次郎。


彼の名前はまだそこまで広く知られていなかったが、すでに彼をフォローする人々の間では、誇らしげにその活躍を応援する声が広がっていた。

:宮本おじさんがランクインするのは予想通りだよね!マジで強いから

:また半裸になってる…個人的には好きだけどww

:数日前、ひとりで聖ゴリル山に登ったおっさんが、今度はウェイスグロで大暴れしてるw

:おじさんのアイコン、まだあのサラリーマンのままで変わってないんだね!ギャップありすぎて同じ人とは思えないwww

:おじさんの個別配信が流れたぞ!


空に浮かぶ5台のドローンが指令を受け、モンスターの群れの中から宮本の位置を捉え、彼を全方位で配信する命令を実行していた。


戦いに没頭していた宮本でも、ドローンの異常な動きに気づいていた。

(これは、俺を撮るつもりってことか?)

(…こんな大規模な任務、登録者を増やす絶好のチャンスだ。 見逃すわけにはいかないな…。

ならば、俺の戦い方ももっと派手にしないと!いつも応援してくれる視聴者たちへの恩返しにもなるだろう!)


華やかな配信を残すことに執着している宮本は、「雷爆」の新しい使い方を模索し始めた。

拳を起点とした雷球や、掌を起点とした雷空斬では、もはや彼の求める派手な戦いには物足りなかった。


無限に湧き出るモンスターの群れの中で技を試すなんて、恐らく宮本だけだろう。


戦いが続く中で、宮本の近接戦闘経験は急速に蓄積され、完璧な遺伝子を持つ彼の身体は、どんなに誇張された動きでも難なくこなせるようになった。

手足を動かすたびに雷霆の力を放ち、戦闘の光景はますます華やかになっていった。


そして、ついに宮本は雷霆をさらに操る力を手に入れ、その力を具現化した。




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最新話からお読みの方もいらっしゃるかと思いますので、こちらでも説明させていただきます。

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 どうも、フカヒレです。


 いつも『社会の底辺に沈む中年社畜おじさん、末期の病を宣告されSSS級ダンジョンで死を選んだところ……最強の伝説モンスターと融合し、超絶強者となる!』をお読みいただき、そして応援していただいた皆さま、本当にありがとうございます。


 この度、突然のアカウント削除で、ご迷惑やご心配をおかけしてしまったことを深くお詫び申し上げます。


 実は、私が最初に会員登録をしたのはスマホで、その際に登録したアカウントをサブ垢として利用していました。そのサブ垢は、あくまで読者として作品を楽しむために使っていたのですが、一昨日、パソコンを使い、そのサブ垢でまだ読んでいないが面白そうな作品に☆を付けるという行為をしてしまいました。結果として、両方のアカウントが事前の警告もなく突然Banされ、作品が全て削除されてしまいました。今となっては、おそらくもう戻ることはないだろうと思っています。

 まさかこんなことになるとは思わず、その後、利用規約を再確認し、自分の軽率さを深く反省しております。


 幸いにも、原稿自体はパソコンに残っており、引き続き投稿は続けられる見込みです。ですが、一番悲しいのは、今までいただいた応援や評価、コメントがすべて消えてしまったことです。作品に対して、まだまだ足りない部分が多いことは理解していますが、それでも「面白い」と言ってくださる読者の皆さんがいてくれたからこそ、ここまで続けてこられました。その一言が、どれほど私にとってモチベーションになったことか…本当に感謝しています。

 xでもお話しましたが、私は決して簡単に更新を諦めたりしません。もちろん、全てがゼロからのスタートとなり、今後どのように進んでいくかを考えると不安もありますが、それでも私は続けたいと強く思っています。


 とはいえ、今回の件で、このアカウントもいつか削除されるかもと思うとどうして不安になります。ですので、もしよろしければ、xフォローをお願いできますでしょうか。もし今後他のサイトで連載を開始することがあれば、xでお知らせします。


 そして、既に読んでくださっていた皆様、☆を付けていただいた皆様にも、再度お手数をおかけしますが、もしよろしければもう一度応援していただけると嬉しいです。


 どうか、これからもよろしくお願いします。


 フカヒレ

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