「みんな。節分の鬼役、頑張ってね」
「はいっ」
「なんでこんなことしなくちゃいけないのさ」
「頑張るよ〜」
「なんでおれまで……」
私の声かけに、四人が四者四様の反応を示す。
とはいえ、神殿に併設されている孤児院のこども達を楽しませるためには一肌脱いでもらわないとね。
ちなみに私も参加しても良かったんだけど、年上のお兄ちゃんが相手のほうがこども達も嬉しいということで終わってから四人を労う役になった。
『鬼は外ー!』
元気な掛け声とともに、容赦なくフランツ達に豆が投げつけられる。
レイが風魔法で豆の軌道を変えたり、リカードが反射的に避けてしまったり、ダイがプロテクションで防いだりしてブーイングが上がる場面もあったものの、三人とも豆をぶつけられるという苦行を受け入れて頑張ってくれた。
ちなみにフランツは最初から最後まで最前線で豆をぶつけられているのだった。
「みんな、お疲れ様ー」
控室でひとしきりこども達に豆をぶつけられるという苦行を終えた四人に対して労いの言葉をかける。
「こども達が喜んでくれて良かったです」
「あいつら、遠慮なくぶつけてくるんだから……」
「痛かったけど、めちゃくちゃ楽しそうだったね〜」
「まとめて投げてくるガキもいたからほんとに大変だったぞ」
これまた、四人が四者四様の答えを返してくる。
案外、みんな律儀というかちゃんとコミュニケーションを取ってくれて嬉しい。
走り回って熱くなったのか、フランツとダイは上着を脱いでいる。
二人とも筋肉質だから余計に暑いのかもしれない。
まだ小柄な二人だけど、私なんかより全然鍛えられた身体はキレイだ。
大人みたいにムキムキじゃないのがショタコンとしては非常に嬉しいし。
そういえば、今回は鬼役ということでみんな裸足で頑張っていた。
というわけで……。
「恒例の足裏マッサージといこうか」
「いつもありがとうございます」
「頑張ったんだから当然だよね」
「うん、疲れたからいっぱいしてね〜」
「あー、まあ、おれもやってもらうか……」
また四者四様の回答が返ってくるが、みんなマッサージされる事自体は嫌じゃないらしい。
まずは裸足で頑張って少し汚れた足を、温めておいたタオルで拭いてやる。
「うわあ、あったかいです」
「へえ、気が利くじゃない」
「気持ちい〜」
「わるくねーな」
それぞれの感想を聞きながら、順番に足裏をマッサージしていく。
事前にタオルで拭いたということもあって、今回は全員水分で滑りが良い。
ショタ達の足裏の感触を楽しみながら、私も災いが出ていき、福が訪れるように祈りながらマッサージを行うのだった。