「今日はおいらの番だよ〜」
リカードが意気揚々とやってくる。
リカードの身長だと支えになってもらうのも難しいのだが、もう一人でも歩けるから大丈夫だろう。
「にーちゃん、おいらが食べさせてあげる〜」
「自分で食べられるから大丈夫だよ」
リカードがスプーンでおかずを使って食べさせようとしてくれる。
ショタに食べさせてもらえるなんて嬉しい提案なのだが、さすがにちょっと恥ずかしいのでやんわりと断る。
「え〜、食べさせてあげたい〜」
「じゃあ、お願いしようか」
しかし、そこでひかないのはさすがリカード。
多分中学生くらいなのにわがままなちびっ子反応はどうかと思うが、ショタに食べさせてもらえるチャンスが再び巡ってきたのならもう断れない。
私が素直に口を開けると、リカードがスプーンに乗せたおかずを口の中に入れてくれる。
もぐもぐ……ショタに食べさせてもらうとそれだけですごくおいしく感じる。
ちょっと意味は違うが、料理の隠し味は愛情みたいなものだろうか。
おかげでいつもよりたくさん食べることができた。
夜、やはりというかリカードも添い寝してくれることになった。
「にーちゃんが元気になって、おいらすごく嬉しいよ〜」
「ありがとう、リカード」
早速抱きついてくるリカードの頭を優しく撫でる。
人懐っこくてかわいい性格だし、見た目も小学生にしか見えない愛らしいワンコキャラだ。
本当にお子様なのか体温も高めなようで、抱きつかれていると非常に温かい。
さらに汗っかきなようで、全身がしっとりとしているのも妙にお子様感が強かった。
もっとも、リカードの場合はお子様感が強すぎて性欲よりも庇護欲が勝ってしまって、本当にただ愛らしいという感じなのだが。
「にーちゃん、耳触ってほしいな」
「ダメだよ。気持ちよくなっちゃうんでしょ?」
「うん。だから触って〜」
ただし、こういう天然たらしというか、純真なのか狙っているのかわからない、非常に危険なお誘いをしてくる面もあるのだが。
仕方なく、髪を撫でながら時々耳も撫でてやる。
「ん……」
そのたびに、リカードは小さな声を上げていた。
やはり、こどもに手を出している感じが強くて背徳的な気持ちになってしまう。
そもそも、この世界の獣人にとっての耳がどういう扱いなのかをしっかりと確認しておく必要がありそうだ。
私が色々と考えている間も、リカードは小さな寝息を立てながら私の腕の中で安らかに眠っている。
なんというか本当に、全力で守ってあげたくなるかわいい子である。