村長から今回の依頼の詳細が告げられる。
数日前、村に安置されていた御神体が盗まれたということであった。
この村ができたときから村の御神体として設置されていた石像ということで、村人たちにとっては村の象徴が盗まれたという状況とのことだった。
ただ、村人にとっては大切なものだが高価な素材ではないため、盗賊たちが何の目的で盗んだのか見当がつかないとのことだった。
「疲れた~。にーちゃん、また足をマッサージしてほしいな~」
「オレも。登り坂だったから、結構疲れた」
「お前達、タカヒロさんだって疲れているんだぞ」
村長が用意してくれた一室で一息ついたリカードとレイは、ベッドの上で裸足になっておねだりしてくる。
少年の裸足好きとしては願ってもないお願いだったが、フランツが生真面目に注意してしまう。
「フランツだって、本当はにーちゃんにマッサージしてほしいんじゃないの~」
「酔っ払ったときも介抱してもらっていたみたいだしね」
「なっ。僕はそんな事は考えていない。確かに以前は迷惑をかけてしまったが、金輪際迷惑をかけるような真似はしないと誓ったんだっ」
二人のからかうような発言に、フランツがムキになって反論する。
こういうときは息ぴったりな二人を前に、フランツは劣勢であった。
この、完璧なリーダーではないところもフランツの魅力だろう。
「盾や鎧が重くなっているし、フランツもいつもより疲れているでしょ。嫌じゃなければ、マッサージさせてくれないかな?」
「え? ……ご迷惑じゃないんですか?」
私の言葉にフランツは驚きの声を上げ、おずおずと尋ねてくる。
薄っすらと顔に赤みがさし、少し嬉しそうな表情をしているように感じるのは、私のやましい心のせいだろうか。
「フランツ、嬉しそ~」
「真面目ぶってるけど、本音が顔に出ているね」
「……っ」
「はいはい、煽らないの。順番にみんなマッサージしてあげるから、それで良いでしょ?」
リカードとレイの言葉に別の意味でフランツの顔が赤くなってきたので仲裁に入る。
「そうだ、にーちゃんのこともみんなでマッサージしてあげよ~」
「まあ、されっぱなしなのも不公平だから、良いんじゃない?」
「それはいい考えだ。タカヒロさん、僕達にもマッサージさせてくださいっ」
「ありがとう。でも、ちょっとだけで良いからね」
ショタ達からマッサージされるというのは夢のような話ではあるが、理性が保てないというか勝手に身体が反応してしまうことは必死だ。
そうでなくともショタ達を足裏マッサージすることでも反応してしまって隠しているというのに。