街に戻った私達は、神殿で祝福を受ける。
凶悪な魔物との戦いがあったこともあり、みんなそれぞれ冒険者としてのランクが上がり、スキルのレベルが上昇したり新しいスキルを覚えたりした。
例えば私の場合、プロテクションとホーリーウェポンのレベルが上がり、素早くヒールを使うスキルを新たに覚えた。
報酬も予想外の凶悪な魔物を討伐したということで少し上乗せされ、その魔物からドロップしたアイテムも高く売ることができた。
何を買うのか悩んだが、フランツの防具とリカードの武器を新調した。
単純な攻撃力ならフランツの武器を新調すべきだが、盾を装備しながら使える槍に良いものがなかったので今回は保留になった。
レイと私は魔法主体ということで同じく保留である。
「フランツ、脱いだらすごいんだね~」
「なっ……触ってこないでくれっ」
途中、新しい防具に着替えているフランツの身体をリカードが触りに行くというトラブルがあった。
もっとも、私も触ることはなくともフランツの鍛えられているけれど少年らしい細く締まった肉体はしっかりと目に焼きつかせていたのだが。
レザージャケットからレザーアーマーに着替えたフランツは、よりウォーリア感が増していた。
今まではレイ以外は同じ防具だったので、やっとクラス差が出てきたと言ったところか。
盾も一回り大きいものに変えている。
リカードも短剣を一回り大きいものに変えた。
今は嬉しそうに振り回しているところだが……ちょっと危ないから、そろそろ止めさせよう。
「次はどんな依頼を受けようか」
「いっぱい頑張ったから、宴会しようよ~」
「村で馬鹿騒ぎしたばかりなのに、まだ足りないの?」
一通り、装備やアイテムの購入が終わった後、リカードが改めてみんなに問いかける。
それに対しリカードとレイが相変わらずのやり取りを行う。
しかし、宴会はともかく異世界の料理を堪能するのも悪くないかもしれない。
「それなら、なにか珍しい食材が手に入れられる依頼なんかを探してみる?」
「そんな依頼、ないんじゃない?」
「直接はなくても、薬草などを採りに行く依頼と一緒に集められるかもしれない」
「珍しいものがあるとこなら、隊商の護衛依頼もあるかも~」
「たしかに、それも探してみようか」
私の提案もあっさりとレイに否定される。
そこにフランツがフォローを入れてくれた。
リカードも自分の思いついたことを提案してくれる。
私もそれに賛同し、私達はその条件にあった依頼を探すことにした。