「ダイ、あけましておめでとうございます」
「おう、おめでとう」
浴衣に身を包んだダイが、軽い口調ながらもタカヒロに挨拶を返す。
リラックスできているのか、ダラけた態度がかわいい。
「ダイ、今年の抱負ってあるかな?」
「抱負ってなんだ?」
「そうだね。今年、こんなことがしたいみたいなことだね」
タカヒロの言葉に、ダイは少し考えるような表情を見せる。
「そうだな……おれももう少し、あんたと仲良くなってやるか」
良いながら照れたのか、ほんのり顔を赤らめるダイがかわいい。
「それなら、ハグしてみる?」
「は? いきなり話が飛びすぎじゃねーか?」
タカヒロの言葉にそっけない態度を取るが、顔は赤いままだった。
「じゃあ、手を繋ごうか」
「手? 手くらいなら、まあ」
そう言いながら、タカヒロの手を掴むダイ。
タカヒロもそんなダイの手を優しく掴み返す。
「なんか、変な気分になるな……」
「そう? ダイの手は暖かくて気持ちがいいね」
顔を赤くしながら言うダイに対するタカヒロの言葉に、さらにダイは顔を赤くする。
「今度は足裏マッサージもしようか?」
「え? ああ、頼むよ」
ダイは顔を赤くしたまま、足をタカヒロのほうに投げ出す。
ダイは身長的にもレイと同じくらい高く、前衛職なのでフランツと同じくらいがっしりしている。
一番大人に近いダイであったが、それでも大人に比べると少し小さいところがかわいい。
最近はマッサージオイルを使うことが多かったが、直にダイのかわいい足裏の感触を味わいたかったので素手で行う。
普段から裸足で、しかも前衛職なダイの足裏は少し硬くなっていたが、タカヒロがマッサージオイルでマッサージすることでかなり柔らかくなってきていた。
「気持ちいいな」
「そう? それなら良かった」
思わず漏らすダイの言葉にタカヒロも顔を綻ばせる。
途中から加入して、足裏マッサージに抵抗感を持っていたダイとも、こうしてスキンシップができるようになったのは仲良くなってきている証拠だろう。
そのまましばらくマッサージを続けていると、気持ち良さと足裏が温まることでダイの目がトロンと眠たそうになってくる。
このまま寝かしてしまおうと、何も言わずにマッサージを続けるタカヒロ。
しばらく続けていると、やがて小さな寝息が聴こえてくる。
「すぅー、すぅー」
タカヒロはマッサージの手を止めると、眠っているダイの顔を覗き込む。
普段はやんちゃな顔をしているダイだが、寝顔はすごくかわいい。
優しく髪を撫でてやると、穏やかな笑みを浮かべる。
「タカヒロさん……」
「ダイ……」
ダイのつぶやきに、タカヒロも小さな声で答えるのだった。