「リカード、あけましておめでとうございます」
「にーちゃん、おめでと~」
浴衣に身を包んだフランツが、フランクに挨拶を返してくれる。
「フランツ、今年の抱負って何かあるかな?」
「抱負って何〜?」
「そうだね。今年、こんなことがしたいみたいなことだね」
私の言葉に、リカードは真剣な表情をして考える。
「そうだな〜……にーちゃんともっと仲良くなりたい!」
歯を見せて笑いながらも、ほんのり顔を赤くして答えるリカード。
「私もリカードともっと仲良くなりたいよ〜。ぎゅってして良い」
「良いよ〜。ぎゅー!」
嬉しそうな表情を浮かべて、自分からタカヒロに抱きつくリカード。
タカヒロはそんなリカードを優しく抱きしめ返す。
最初の頃から布団に入り込んできて添い寝をすることも多かったが、こうして起きている時に抱きしめ合うというのは今までとは少し違う感覚を二人は感じていた。
「後は、新春初足裏マッサージかな」
「うわー、マッサージ嬉し〜」
タカヒロの言葉に、また満面の笑みを浮かべるリカード。
スキンシップが大好きなリカードにとって、足裏マッサージは本当に嬉しいことだった。
そこでタカヒロは早速、リカードの足裏をマッサージすることにした。
最近はマッサージオイルを使うことが多かったが、直にリカードの足裏の感触を味わいたかったので素手で行う。
リカードの足裏は元々水分が多く、オイルなしでも滑りが良いと感じる。
さらに、ぷにぷにとしていて触り心地がすごく良かった。
「にーちゃん、すごく気持ちいいよ〜」
「そう? それなら良かった」
顔を綻ばせてそう言うリカードの言葉に、思わずタカヒロも顔を綻ばせる。
現代だとスポーツ少年という感じのリカードだから、内臓が悪いなんてことはまったくないようで、足裏マッサージはただただ気持ちいいらしい。
そのまましばらくマッサージを続けていると、気持ち良さと足裏が温まることでリカードの目がトロンと眠たそうになってくる。
タカヒロはリカードを起こさないように、何も言わずにマッサージを続ける。
しばらく続けていると、やがて小さな寝息が聴こえてくる。
「すぅー、すぅー」
タカヒロはマッサージの手を止めると、眠っているリカードの顔を覗き込む。
普段はこどもっぽいリカードだが、眠っていると結構顔立ちが整っていることがわかる。
もちろん、寝顔はあどけなくて可愛いのだが。
優しく髪を撫でてやると、幸せそうに笑みを浮かべる。
「にーちゃん……大好き……」
「私も大好きだよ」
リカードのつぶやきに、タカヒロも小さな声で答えるのだった。