目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

第7話 近付くXデー

 帰ってからは君と何回も呪文を繰り返し練習して、ブレスレットの使い方も試したね。

「魔法ってすごい!」

君はとても驚いていた。

「マリ、今後何があろうとも僕が君を守るよ。」

「…ええ。信じてるわ、ルークス。」

「愛してるよ、マリ。」

「私、こんなにも誰かを好きになったのは初めてよ。ルークス、愛してるわ。」

僕は思わず君を抱き締めた。その時君はこの世界に来てから初めて涙を流したね。ずっと心細かっただろうに、君は強がりだから言えずにいたんだろう。僕はそっと君の頭を撫でることしか出来なかった。

 僕とマリが何者かによって引き離される日が近付いていた。しかし、魔法のブレスレットがあるから大丈夫、その時はそう思っていた。

 それから数日後、僕たちが街中を散策していると、前から馬に乗った男がやってきた。馬の蹄音あしおとが響き渡る。僕たちの目の前で、馬を止め、馬から降りると男はこう言った。

「…お前がルークスか?」

僕は君を連れて逃げようかとも思ったが、ブレスレットがあるから大丈夫だ、と心を落ち着かせた。

「…。そうですが、何か?」

「ルークス、お前は法を犯した。一緒にいる、その女はこの世界のものではないな?」

「……!」

こんなにもすぐにバレるなんて思ってもいなかった。君もひどく動揺していたね。僕は君の手を強く握りしめ、耳元で

「きっと大丈夫だよ。」

と言うことしか出来なかった。男の後ろからまた馬に乗った男たちが現れた。僕たちは縄で身体を縛られ、別々の馬に乗せられ移動した。

「…くそっ!!」

「強がっていられるのも、今だけだ。お前たちは裁かれる。」

「マリは関係ない!僕がこの世界に連れてきたんだ!」

「召喚は魔法が使えるものでないと出来ないはずだ。そのくらいは知っているだろう?これから取り調べが行われる。ゆっくりと聞かせてもらおうか。」

「お前らに何が分かる!?ああ、くそっ!!!マリ!マリ!!」

「…ルークス!」

僕が君を守る、そう誓ったのにこんなことになってしまって、マリ、本当にごめんよ。

 馬に乗せられ連れてこられたのは、街の外れにある裁判所の一角の、取り調べ室だった。僕とマリは別々の部屋で取り調べを受けることになった。


















この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?