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第5話 運命は変えれるのか?

 未来を3分間だけ見ることが出来る眼鏡を手に入れ、近い未来に起きる出来事が分かるようになった。しかし、今後の僕や、マリの運命はこれからどうなるのだろうか?もし、分かるのであれば見てみたい気もするし、怖い気もする。

「マリ、現実世界の君の家族、見てみるかい?」

「うん。見てみたい!今頃どうしてるかしら?」

「じゃあ見せてあげるよ。」

僕は鏡に手をかざし、現実世界を映し出した。そこからマリのお父さん、お母さんを探しだし、鏡に映すと

「…、お父さんだ!いつも通り仕事してるわね。…、こっちではお母さん!」

君は嬉しそうに指差しながら笑っていたね。

「時々、こうやって見せてあげらるから。」

「ありがとう!ルークス。」

僕は静かに、未来を見ることが出来る眼鏡を掛けた。

「そんな…!まさか!!!」

見えたのは、マリと引き離されるシーンだった。

「どうしたの?」

「早くになんとかしなければ…。」

「ルークス?」

「マリのことは、僕が守る。どんなことがあっても、必ず…。」

「信じているわ、ルークス。」

僕は危機が迫っているという不安と、早くにマリを現実世界に戻さなくては、という焦りでどうにかなりそうだった。そんな時、君は僕の手を握ってこう言ってくれたんだ。

「私、ルークスならきっと大丈夫だと信じてるわ。」

「マリ、ありがとう。どんなことが待ち構えていようとも、なんとか、未来を変えてみせるさ。」

「ええ。きっと…。」

 国王の生誕パレードの前に、この眼鏡で見えたのは、3週間後の未来だった。ということは、もうあまり時間がない。急がなければならない。僕は思い悩んだ。わずかな可能性があるならば、それにかけてみよう。一枚の地図を広げて、君に見せた。

「これが、グレートマカトニア王国の地図だ。僕たちがいるのが、この辺り。」

僕は指で場所を指し示した。

「ここから、北へ移動して、エンチャンテッド・ミステカに行くよ。」

「そこへは何をしに行くの?」

「その村は、魔法が使える者たちが集まり、魔法について深く学んだり、訓練したり、研究しているところなんだ。」

「魔法…。魔法を使って何をするの?」

僕はかなり焦っていたようだ。一か八かのかけかもしれないが、魔法の力に頼ってみようと考えたのだ。

「マリ、まずはこの眼鏡で未来を見てみてほしい。」

「分かったわ。……!いやっ!嫌よ、ルークスと離ればなれになるなんて!!」

「その未来を変えるために、魔法の力を借りようと思ってね。」

「移動はどうするの?」

「高速移動バスがあるよ。そこからはシェルパがいて案内してくれるんだ。」

「行ったことがあるの?」

「僕がまだ幼い頃に、両親に連れられて、ね。」

「…そう。持って行かなきゃいけないもの、あるかしら?」

「マリはコンタクトレンズ、カプセル、歩き疲れるだろうから靴の変えもあった方がいいかな?」

「そうね。」

「僕はいつもの眼鏡と、父さんからもらった試作品の眼鏡、そして、カプセルと、地図…。よし!全部入れた。」

「出発はいつ?」

「僕の両親が眠りについてからがいいかな…。また、母さんに心配されるから。」

「そうだったわね…。」

「それまでまだ余裕があるから、少し身体を休めていよう。」

「そうね。…横になって休むわ。」

そう言うと、君は目を閉じて、眠りについたね。僕は不安が強く、とても眠れなかった。でも、可能性を信じたかったんだ。













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