君が高校二年生になったばかりの春、いつもの通学路で道路を横断中に、信号無視の大型トラックに跳ねられそうになったから、強い
「ここはどこ…?」
「気が付いたかい?ここはグレートマカトニア王国だよ。」
「え?私、トラックに跳ねられたんじゃ?」
「僕が君を助けたんだよ。」
「貴方の名前は?」
「僕は、ルークス。君の名前は?」
「私の名前は
「現実世界とはかなり違うからね。でも、僕はこの世界からずっとマリのことを見ていたよ。」
「やだ!ただの変態じゃないの!」
「…。まあ、そう思われても仕方ないか…。でも、現実世界の出来事を観察するのが僕の仕事なんだ。」
「現実世界って…。ここは異世界ってこと?グレートなんとか王国って聞いたことないんだけど?」
「グレートマカトニア王国。現実世界から見たら異世界だろうね。」
「ルークス!部屋に誰かいるの?さっきから騒がしいけれど、大丈夫?」
「あ、母さんだ!…ちょっと静かにしてて!…誰も居ないよ!大丈夫だから、心配しないで。」
「ならいいんだけど…。何かあったらすぐに言ってね。」
「分かったよ、母さん。」
「僕が、現実世界の観察員になってから、母さん、かなり心配性になってしまって。困ったよ。」
「現実では、お父さんもお母さんも心配性で、おまけに過干渉で。こっちが参っちゃうわ。」
「知ってるよ。マリ、ずっと君に会いたかったよ。」
「ルークスって言ったわよね?何で日本語喋れるの?」
「一応、僕は現実世界の観察員だし、現実世界の各国の言葉理解してるし、喋れるよ。」
「…。そうなんだ…。でも、待って!私、異世界に来ちゃったんだよね?現実世界に戻れるのかなぁ?」
「…僕がなんとかするよ。大丈夫だから、安心して。」
「こっちの世界と現実世界、自由に行き来出来るの?」
「この王国では、それは認められていない…。」
「じゃあ、私はどうなるの?」
「僕も君も、この王国の法律で裁かれることになるかな。」
「…。私は普通の女子高生だよ?なんでこんな目に遭わなきゃいけないの!」
君が突然泣き出したから、僕は困惑してしまったよ。
「マリを助けたかったんだ。こうするしか方法がなかったんだよ。…そろそろお腹空いただろう?これ、飲んで。」
「何?これ?なんかの薬?」
「この国では、これが食事の代わりなんだ。取り敢えず、飲んで!」
「食事?これが?」
「ああ。そうだ。栄養とらないと、倒れてしまよ?」
「…。分かったわよ。飲めばいいんでしょ?」
「いい子だ。あと、その服装では、すぐに捕まってしまうから、この服に着替えて。」
「なんなの?なんだか窮屈そうなドレスね。」
「母さんのドレスをこっそり
「私、普段着はティシャツにジーパンなんだけどなぁ。」
「それも知ってる。」
「…。なんか、恥ずかしい。」
「ああ、気付かなくてごめん!僕は一旦部屋から出るから。ドレス、初めてだと思うし、ひとりで着れるかな?」
「…。どうだろう?分からないけど、着てみるね。」
「着終わったら、このカードをドアの隙間に挟んで。」
「分かったわ。」
「じゃあ、部屋の外で待ってるから。」
しばらくするとドアの隙間からカードが見えたから、ドアを開けたんだ。
「ドレス、着れたかい?」
「なんとかね。…でも、ウェストがちょっときついかなぁ?」
「調整出来るから大丈夫だよ。後ろを向いて。この紐を引っ張ると…、ほら、これでどうだい?」
「…楽になったわ。」
「良かった。すごく似合ってる。」
「本当?…でも、デザインが私好みじゃないのよねぇ…。」
「…そっか。この王国では、服は自分好みにオーダーメイドで作ってもらえるよ。衣装屋に行きたいけれど、今、一緒に出たら確実に見付かりそうだからなぁ。」
「見付かったら、やっぱり捕まってしまうの?」
「そうだな。…、あの方法が一番かな?」
「何かいい方法があるの?」
「一つだけ、思い付いたんだ。僕にはテレポート能力もある。まだあんまり使ったことないから、自信はないけど…。」
「どうやるの?」
「マリはただ、僕の手を強く握って、目を閉じているだけでいいよ。僕は衣装屋へ行きたい!と強く願えば、テレポート出来るんだ。」
「すごい能力ね!」
「…自信はないけどね。」
「でも、それしか方法はないんでしょう?やってみなきゃ分からないわ。」
「そうだな。…マリ、さっき言った方法。分かるよね?」
「手を強く握って、目を閉じていればいいのよね。」
「ああ、そうだ。…じゃあ、行くよ!」