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ep.2-6 ◇ Enfer 《冥界》

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モノローグ


こうなることを知っていた

だから俺は《手紙》を書いた

非魔術師への怒りを鎮めてほしくて

《冥界》へ来て欲しくなくて

わざと時間をかけた


だけど、あいつがここへ来る未来は変えられない

……ならば


少しでも、非魔術師への印象が良くなればいいなと、

あいつの気を紛らわせる楽しみになれたらなと……

……残りの現世での生活を穏やかに過ごしてくれたらいいなと……


そう、思ったんだ



―フレデリック


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◇◆ Frédéricフレデリック ◆◇


ここは冥界……俺は天に召された後、目が覚めたらここにいた。


死んだと思った。いや……実際、死んだんだ。

だけど、俺はまたこうして目覚めることを知っていた。


『prédiction future』…『未来予知』が、俺の魔法だった。予知……そう、



エリックも、絶対にここへ来ることを知っていた。



止めたかった。だから、時間のかかる手紙を遺した。



少しでもあいつに現界にとどまってほしかったから。……だけど、予知した未来は変えられない。


「兄さん……」と震えたような呼ぶ声がして振り向くと、そこにエリックがいた。

悲しかった……が、ほっとしている自分もいた。


あいつは俺を見るなりその両目から大粒の涙を流しながら、俺に飛びついてわぁわぁと泣いていた。


来てしまった悲しみは大きかったけれど、

俺はまたエリックに会えて、うれしかった。


……



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