「はあ。雨、中々あがりませんね。毎日うんざりします……」
「そうだよね。そろそろ
今年もこの梅雨の季節がやって来たのはいいけど、例年より明けるのは遅くなるみたい。
はあ……。
学生のバイトのお金じゃ、乾燥機とか高くて買えないし、車がないからコインランドリーに大量の洗濯物も運べない。
これじゃあ、洗濯物が乾かないよね……。
「こんなに降ったらさ、外であそべないじゃん。スイッジとかでボケモンとかも出来ないじゃん」
「……あの、
「何だ、
あっ、なるほど。
家での電気代を節約のための作戦か。
「──でも、その図書館は現在改装中……」
そこへ、スマホをポチポチと打ちながら、ギラリと眼鏡を光らせた
そう、今この街の図書館は広々とした場所へと移動して、新しい場所で工事をしているの。
完成は間近で来月には公開するとか。
「だが、僕たちに愛の障害はない。豪雨で家が流されそうになっても、僕はマ○ちゃんの味方さ!」
いや、そんな時はゲームの女性にときめくより、素直に避難してほしいよ。
しかし、蛭矢君がスマホゲームの美少女キャラを見せるまで、マ○ちゃんってあのカップ焼きそばの名前かと思ったよ。
食べ過ぎると太っちゃうけど、あれは美味しいよね。
「ふっ、まさに溺れる者はギャルゲーを掴む!」
「だから何の格言なのですか? 溺れるでしょ?」
「はん、英子ちゃん知らねえのか? 中学の古文の授業で習っただろ?」
いや、それは明らかに慣用句で国語の内容だよね。
『溺れる者は
「ふふん、蛭矢、話が分かるやん♪」
一方で美伊南ちゃんは、目をキラキラとさせた尊敬のまなざしで、蛭矢君を見ていたけどね。
まあ、いいや。
ツッコミもキリがないから、二人に話を合わせよう。
「それでは早速、大量のてるてる坊主を逆さに吊るさないといけないですね」
「ふっ。甘いな。英子ちゃん。時代は世界に通用するグローバルな対応だよ」
「よっしゃ。今年も殴り込みにいくんやろ♪」
……えっ、どこに喧嘩を売りにいくのかな。
もしかしてテレビ局?
気象予報士さんのピンチだよ?
「それは違うぜ。英子ちゃん。僕は自分のパソコンから気象衛星をハッキングするのさ」
「いえーい。宇宙テロばんざーい♪」
神様、どうか、この悪ふざけな二人を止めてください……。
「……
「へいへい。分かりやしたよ、
本当、しっかりしてるのは
偶然、通りかかってくれて助かったよ。
「カビのボケモンとかが、わんさかと生まれたらヤバイからな。やつらは素早いからカビキラーが何本あっても足りないぜ」
前言撤回。
私の周りにはオタクしかいないのか?
ああ、類は友を呼ぶのかな……。
第3話、おしまい。