1:name bom
マスターは基本的に巨乳派でいらっしゃるけど 控え目が良いって日もあるし
2:name bom
何も言われずともその時の気分に適したおっぱいを選出するのが理想なんだけど
3:no name
えっ日によって付け替えているのですか
4:name bom
うん 倉庫にcm刻みでおっぱい並んでるよ
5:no name
こわっ
6:no name
おっぱいがいっぱい
7:no name
付け替え式だとどうしてもおっぱい周辺に継ぎ目が目立つのがネック
8:name bom
あー分かる 固着しちゃえば自然ではあるんだけど
9:no name
コイツ躊躇いなくおっぱいって言うな
10:no name
ちょっと恥ずかしくなって胸とかバストとかでぼかしたくならないんですか
11:name bom
ならない 私は自分の胸に誇りを抱いている
12:no name
セクサロイドの鑑
13:name bom
そもそもセクサロイドのおっぱいというものを確立するのにどれ程うちのメーカーの先人が苦労されたか
14:name bom
その歴史を学べばもうおっぱいを軽んじることなぞできなくなるぞ
15:no name
いえ特に軽く見ているわけでは
16:name bom
今こそ語る時だな よし
17:name bom
我がメーカーが打ち出した[Sexaroid Project“5318008”]マイク感度を最大にして聞きなさい
18:no name
導入が無理矢理過ぎない?
19:no name
コイツ昔話したいだけだろ
20:no name
ずっとこういう機会狙ってるんでしょうね
21:name bom
現時刻から85yrs前 我がメーカーのアンドロイド開発部門は窮地に立たされていた
22:name bom
社会情勢不安による経済状況の悪化 物価の値上がり それによる消費者の買い渋り
23:name bom
アンドロイドの売れ行きも例外ではなく 部品の高騰もあり社の中でも規模の小さい当部門は消滅の危機にあった
24:name bom
しかし!じわじわ人員と費用が消えゆくこの部門にとある大企業から案件が舞い込む!
25:name bom
「セクサロイドの機体開発を頼みたいんだ……君達のところにしか頼めない!」
26:name bom
一寸の虫にも五分の魂 零細部門の挑戦が幕を開けた……!
27:no name
何でこんな案件が急に?
28:name bom
当時セクサロイドに風当たり強い時期だったから大企業が自分で大っぴらに開発しちゃうと株価下がっちゃうんだって
29:no name
隠れ蓑ではないですか
30:name bom
流通販売経路は確保するからコッソリ作って流してねっていう
31:no name
これ変に繋がりバレたら尻尾切りされるのでは
32:no name
爽やかそうな語りに対して大人の事情が汚い
33:name bom
何であれ見返りの大きい話だったことは事実 早速取り掛かる……
34:name bom
開発チームは失敗できない……売れる機体を作る為には何を重視するべきか テストモデルに議論と社の技術の粋が尽くされた
35:name bom
美の黄金比を現実のものとしたフェイスパーツ 白魚の様な美しい手指 しっかりとした太腿
36:no name
脚は太くていいの?
37:name bom
うちのメーカーはムチムチ派閥だったらしくこれは真っ先に決まった
38:no name
市場調査とかは
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したけどこの点は開発者が譲らなかった
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職人のこだわりですね
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いや うん
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ともかく 開発は順調に進んでいる……かに見えた
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開発チームはある壁に突き当たる
44:no name
壁?
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おっぱいだ
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おっぱい
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おっぱいかぁ……
48:name bom
セクサロイドを開発するにあたって最大の強みであり それ故に最大の難点となる それがおっぱい……
49:no name
まぁそら重要だろうけど
50:name bom
セクサロイドの価値の90%はおっぱいに依存すると言っても過言ではない
51:no name
流石に過言じゃねぇかなぁ
52:name bom
開発チームは頭を抱えた 誰も本物のおっぱいを知らないからだ
53:no name
何で開発引き受けちゃったの
54:no name
全員ご存じ無かったんですか
55:name bom
これまでに重ねられた人員削減のツケが今になって牙を剥く チームには経験が浅く年若い男性が5名しか残っていなかったのだ
56:no name
企業も何でここに任せようと思ったんだ
57:name bom
他の点も決して妥協などしていない しかしおっぱいは おっぱいの柔らかさだけはこだわらないわけにはいかなかった
58:name bom
リアリティを求め チームは様々な体験を求めた
59:name bom
似通った感触だとの情報を得れば自分達の二の腕を揉み 時速60Kmを出す車の外で風圧を感じた
60:name bom
小麦粉を柔らかく練りその感触を手に覚えさせた 発酵させたものを焼いたら美味しいパンができた
61:name bom
そして此等の実験は比較できる本物のおっぱいの感覚を知らないから徒労に終わった
62:no name
むなしっ
63:no name
本物に触れようとはしなかったんですか
64:name bom
全員伝手が無いし「貴女のおっぱいを量産させてください」と言っているようなものなので全会一致で否決された
65:name bom
セクシャルハラスメントで訴えられてからの懲戒免職が目に見えてたから
66:no name
おっぱいの肖像権を侵害してはいけないよな
67:no name
肖像権以前の問題だと思考しますが
68:name bom
開発チームは行き詰まった 先に進める道がどこにも無い……
69:name bom
暗雲が部門の中に立ち込める……
70:name bom
そんな中 ある社員がポツリと呟いた
71:name bom
「そもそもセクサロイドの胸にリアリティはいるの?」
72:name bom
「俺達が作るべきなのは[本物]のバストじゃない。[理想]のバストなんじゃないか?」
73:name bom
青天の霹靂 暗雲を割く一筋の光が開発チームに差し込んだ
74:no name
えっ どういうことなの
75:no name
というか開発チームさんはちょっとおっぱいって言うの躊躇ってたんだな
76:name bom
変に知りえない現実を追うのではない それならば理想を追い求めるのだ
77:name bom
消費者が触りたい 揉みたいというおっぱいを作り上げる そこに必ずしもリアリティは必要でない
78:name bom
開発チームは随分と遠回りをした だが確かな答えを得た
79:name bom
現実にあるおっぱいの再現をするのではない おっぱいの[魅力]を再現するのだ!夢を追い続けたこのチームならそれができる!
80:no name
現実を知らないから夢は見放題だろうけども
81:no name
余計な知識が無い事が逆に利点となるとは
82:no name
理想を求め続けた方達が持つ素晴らしさですね
83:name bom
そうして出来上がったセクサロイドの機体は高く評価され 社に大きな利益をもたらした
84:name bom
チームに臨時賞与が出され 部門に人員と開発費の増加が約束され 女性社員からの視線がちょびっと冷ややかになった
85:no name
嬉しみと悲しみ
86:no name
どうか勘弁して差し上げて
87:name bom
こうして[Sexaroid Project“5318008”]は苦難の果てに大成功を収めたのだった……
88:no name
想定してたより5割増しで感想の抱き方に困る話だった
89:no name
ところでプロジェクト名の“5318008”というのは?
90:name bom
7セグメントディスプレイに表示された“5318008”をひっくり返したらBOOBIES(おっぱい)になるから
91:no name
初志貫徹