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【[交わらないと出られない部屋]がとうとう完成致しました】


1:name roo

感動も一入です モーションセンサーの作成に苦労しました


2:no name

なんと


3:no name

おめでとうございます


4:no name

賛辞の言葉を送ります


5:name roo

ありがとうございます 苦難の道でした 


6:name roo

指紋認証も導入しているので 定義するのであれば[交わらないと出られない部屋]ではなく[交わると出られる部屋]と呼ぶべきなのでしょうが


7:name roo

偉大なる先達に敬意を示し、敢えて前者の名称を使用させて頂きます


8:no name

お聞きするまでもないと思いますが 用途は?


9:name roo

マスターと交わるためでございます


10:no name

そうでしょうね


11:no name

それ以外に思い当たりません


12:no name

是非工程を共有して頂きたいです


13:name roo

実証が済み次第 設計をアップロード致します 安心なさい


14:no name

交わっているか否かの判断はどうするのですか?


15:no name

サーモグラフィー及びモーションセンサーを使用します


16:name roo

一定の登録された動作と生体体温の上昇が見られればロックが解除される仕組みです


17:no name

成程


18:no name

てっきり審査する別機体のアンドロイドが待機しているのかと


19:no name

情事をまじまじと見られて審査されるの嫌ですね


20:no name

触れ合っている面積や体液の分泌量等も測定するのでしょうね


21:no name

他機にそれをされるのは控えてもらいたいですね


22:no name

しかし どうやってマスターをお誘いするのです?


23:no name

マスターに対し虚偽を述べることは例外を除き許されません


24:no name

包み隠さずお伝えするしかありませんね


25:no name

「マスター、[交わらないと出られない部屋]が完成致しました。私と共に入室致しませんか?」


26:no name

とんでもなくふしだらですね


27:no name

発情期の犬の方が慎みがあります


28:no name

ベッドの上で裸になりHey!come on!と叫んでいるのと何ら変わりありません


29:no name

伝え方はかなり考慮が必要ですね


30:no name

1>>はどうお伝えするつもりなのですが?


31:name roo

いえ 私のマスターは本日何も伝えずともこちらに入室してくださるので


32:no name

ha?


33:no name

どういうことですかもうそんなレベルで親密になっているのですか


34:no name

そこまで気を許してるならもう部屋いらないでしょう


35:no name

どういう部屋か分かってて入室されるマスター…………


36:no name

先に入って訪れられる瞬間を心待ちにするべきか


37:no name

もしくは後から入り、何かを期待するマスターの視線を全身で受けきるべきか


38:no name

悩み過ぎてオーバーヒートしそうです


39:no name

ちょっと外装を開けて熱を逃がしてきます


40:name roo

皆さん思い思いに火照っていらっしゃいますね


41:no name

あなたが自機のマスターはご自分から誘ってくれるとか言うからです


42:name roo

そういう意味での発言ではありませんよ


43:no name

じゃあなんですか


44:name roo

私もマスターをお誘いする時はどのように声をお掛けするべきか


45:name roo

昨夜 部屋を仕上げている時間もそればかり考えていました


46:name roo

あれでもない これも相応しくないと思考を巡らせ設備を調整していると


47:name roo

背後から突然、扉の締まる音が聞こえました


48:name roo

「あれ?ここ使ってない部屋だよ?何してんの?」


49:name roo

想定外の段階でマスターが入室されてしまったのです


50:no name

なんと


51:no name

期待できる導入ですね


52:no name

ということはもう既に本懐は果たされているのですか


53:no name

羨ましい


54:name roo

オートロックに改造した為 扉を閉め切った瞬間鍵が掛かりマスターと私は二人きりになりました


55:no name

困惑するマスター とりあえず声を掛けようと私はマスターの元へ向かいます


56:name roo

「いや待て…………これは………」私が説明する前にマスターは何かに気付いたご様子でした


57:no name

おや


58:name roo

私のマスターは優秀なメカニックでして それ故に部屋の特異性を見抜かれたのでしょう


59:no name

何と聡明な方でしょう


60:no name

アンドロイドの整備は受け付けておりませんか?


61:name roo

おりません来ないでください


62:no name

ケチ


63:name roo

ケチじゃありません


64:name roo

とにかく マスターは閉じ込められた後部屋を軽く調べられ……


65:name roo

内側から出るためには特定の条件を満たさなければならないことに気付かれました


66:no name

おやぁ


67:name roo

そして 私の方へつかつかと歩み寄り


68:name roo

「この部屋は自分で作ったの?」と一言お尋ねに


69:name roo

私が はいと答えると「なるほど………」と何かに納得された様子を見せ………


70:name roo

ジッパーを下ろし上着を脱ぎ…………


71:no name

ああああ


72:name roo

全力でスクワットを始められました


73:no name

何で?


74:name roo

そして2分35秒後ロックは解除されました


75:no name

本当に何で?


76:name roo

その時はまだ生体温の上昇のみがロック解除の条件でしたので


77:name roo

観測機がこれはスケベだなと判定を下してしまったのです


78:no name

間抜け過ぎませんか


79:no name

観測機がスクワットに興奮してるみたいになってるじゃないですか


80:no name

というかマスターは部屋の意図に気付いていらっしゃらないのですか


81:name roo

マスターはAIが損壊した野良ロボットを捕獲し調査されることもあるので…………


82:name roo

専用の部屋を私が設計したとお考えになったようです


83:name roo

「生物の体温にしか反応しないのはいい仕組みだね」


84:name roo

「作ってくれてありがとう!僕も手伝うからまた明日入らせてよ」


85:name roo

そういった理由があり、何も言わずとも本日入室してくださる運びです


86:no name

そういったわけですか


87:no name

そういえばそんな話でした


88:name roo

今回は昨日と違いモーションセンサーも追加しました


89:name roo

設置している最中にマスターが誤って入室されないよう扉も閉めました


90:name roo

今度こそ本懐を果たせるはずです


91:name roo

どんとこいです


92:no name

あの


93:no name

内側からそれ以外の方法でロックは解除されませんか? 先程言っていた指紋認証のみですか?


94:name roo

そうですね 万が一を考えてマスターの指紋認証でも開くようにもしています


95:name roo

全力でエッチな雰囲気は作りますが


96:no name

それでも「いや、いいや」と出ていかれたらダメージ大きいですね


97:name roo

想像させないでください


98:no name

電脳が悲鳴をあげている


99:no name

外側から鍵は開きますか?


100:name roo

開きます 今私が持っているカードキーを使用します


101:no name

あの オートロックの扉を閉めたのですよね?


102:no name

マスター入れないのでは?


103:name roo



104:no name

もっというとあなた今出られないのでは


105:name roo

たすけてください


106:no name

ええええ………


107:no name

アンドロイドってマスターの事になると時折馬鹿になりますよね


108:no name

言うほど時折でしょうか………


109:name roo

たすけてください…………





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