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短歌は、一句に、とてつもない物語が込められています。まるで3D映像のように圧巻です、せまりくるイメージの映像詩に圧倒されました。花の色を思い、空気の温度が伝わってくるようです。

資材届ける増築せよ、という表現には、『木材を配達するから部屋を増やせ』ととらえられる一方で、詩的には『体にいいものを食って家族を増やせ』とも解釈できるので、そこには未来への期待や希望が感じられます。つきはなすようでありながら、一緒にいるだけが愛ではないという親子の愛ゆえの慈しみも感じられるのです。

友達としての付き合いから発展する恋愛もいいけれど、最初から結婚を前提にしてしまう恋愛が好きなので、限られた言葉のなかに感じられる勢いの良さや潔さに、しびれます。

激しい感情がこめられていても、それをさらりと感じさせてしまうのも、短歌ならではのリズムでしょう。心地よい余韻が読後も続きます。
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読んでみると、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。
これは、読み手の住む地域や年齢に依存する個人的な経験に訴えるものではなく、私たちの遺伝子に刻まれた、遥か悠久の昔から近代まで受け継がれてきた(今も受け継がれるはずだった)大切な記憶を呼び起こしてくれるものだと思います。
まるで、御先祖から受け継いだ集合的無意識が目を覚ますような不思議な感覚です。

自然の中で地に足の着いた暮らしの描写が印象的で、詠み直すたびに異なる解釈ができる素敵な作品だと思いました。
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