いつまでと
決めずこれまで
来たけれど
寒さに併せ
伝えてしまえ
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寒くて無口になりがちな時期だからこそ、普段から無口な村人はさらに無口になっていく。
心の中ではたくさん話しかけてはいるつもりなのだが、言葉にして伝えていない自覚があるわけで……。
漠然とした引け目と言うか情けなさと言うか何かが心に積っていく日々を終わらせて次へと進みたい!という思いが寒さのゆるみの中でどんどん高まります。
いつもの夜明けいつもの朝。
今日もいつもと同じに茶碗を受け取って……というその瞬間に、やっとのことで「いつもありがとう。」と、受け取りながら言うことができ、チラリと眼を見る。
そのやさしさてんこ盛りの眼を受け止めながら「こちらこそありがとうございますですよ。」と、玄米をもひとつ多くよそって渡すのでした。