静けさの
庭に広がる
池の
小さな橋で
手を打つ子供
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役場に用事がある父親についてきた男児が庭に出ると駆け出していく。
少し考えて池にかかる小さな橋の上に立ち池を眺める。
大きな鯉がゆったりと泳いでいるのを見て呼んでみたくなり、手を叩いた。
すると、寒いけれど勢いよく鯉が集まる。
男児が鯉の大きさに驚いて後ずさろうとして「あっ。」と言う。
追いかけていた役人がちょうど追いついて「うん!」と抱え込むようにして助けると笑顔で「これを持って。」と、鯉の餌を渡す。
男児は餌を受け取って下におろしてもらうと「ありがとうございます。」と言いお辞儀をする。
大きく息をついてから用心深く橋の上に立つと集まった鯉たちにパラパラと餌を与えて笑顔になるのでした。