橋の上
夢の中では
思い出す
渡りきらずに
引き返すこと
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三年前、家から出る前に相手に伝える言葉を決めて、その日一番のお気に入りの花を花束にして歩き出した。
坂を下り沈下橋の上に立って川の流れを追う。
橋の上に立つと、急に何かが胸の中を駆け巡って、力なく"ふぁさっ"と、花を川に流して引き返すという映像。これは夢だ!
少し汗ばんで飛び起きる。
実際はといえば伝える言葉が無くとも愛が伝わって『嫁と正式に結婚して子供がいて新しい牛小屋を任されている』にもかかわらず、みる夢。
この思い出は『もしもあの時沈下橋を渡らなかっら、今の幸せは無かったかもしれない』と、現実を深く認識して嫁と子供をさらに愛おしくして、日々の感謝をより一層のものにする。
そんな魔法がかかっている夢なのでした。