水鏡
空に輝く
満月を
映して魅せる
積雪の宵
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無風に近い満月の日。
[ 簡単な食事を持ち寄って役場に集まろう! ]と家長に向けて梟で手紙が届く。
『満月の集い』は毎回あるわけではない。
無風である時を選んで開催される。
各々に自慢料理を少なめに持ち寄り、夕方に食べて静かに話をする。
今年の展望を熱く語る者、実は悩んでいることを打ち明ける者、話す必要がある案件を提示する者など様々で静かな熱気で村が一致団結していく。
黙々と書記をしていた役人がそっと立ち上がり外に眼をやると、満月を水面に映す時刻ぴったりに。
今宵の満月もひときわ美しく話題も優しくまとまって、皆が笑顔で蜂蜜酒を酌み交わすのでした。