目次
ブックマーク
応援する
3
コメント
シェア
通報

洞窟の


中を歩いて


静かなる


暗闇の中


光を探す


--- ====== ---


なんやかんやで一人きりになれる場所が無い村。


ここの村人には『一人きりになりたい気持ちが高まる年頃(一生のうちに何度か来る)』になると男女問わず隣村の洞窟に入る習慣がある。


子供の頃、隣村の祭りに家族で行く。

その時に祭りの参加者は順繰りに洞窟に入る体験があって、その経験が大人になってからの『一人洞窟歩き』につながっている。


先客が入っている場合は入ることができないので、その時は隣村の畑仕事を手伝って竹籠いっぱいの野菜をもらう。


洞窟では奥までゆっくりと歩いて、ただ出口まで歩くだけの事。


奥で回れ右をするときに胸に去来する何か。歩いて出てくる時に思い浮かぶ閃き。それを掴むと深々と礼をして帰る。


そのような体験が村人がそれぞれに面白みのある、頼りがいのある人になる一因になっているのでした。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?