響く音
お山の全て
流れてく
心で受けて
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お山に響き渡るやわらかなやさしい歌声は、家々を耳で観察している琵琶法師の耳にも届きました。
すると「ご迷惑かもしれないが、歌っているところまで連れていっていただけますでしょうか。」と守人に伝えます。
「一枚岩で歌っていると思うので背負ってもよろしければお連れできます。」と答えると琵琶法師はゆっくりと深く頷き、琵琶をその場に預けるとお山へ入ります。
娘の歌声は歌うにつれて透明度が増していくような響きがあります。
琵琶法師と娘は出会い、お互いの波長がぴったりで、娘は親元から離れて滞在中の琵琶法師のそばで働きたいと言い出したのでした。