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炭焼き小屋

炭づくり


火の番をして


明ける夜に


お焼きを出して


幸せ


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何度か弁天堂で瞑想の日々を過ごしていると……。

[ 瞑想にもなるから、守人から炭焼きの作業を教わっておくように ]と、役場からの依頼を受け取った。


よい炭ができれば行商にも回せる。

覚えてしまえば確かに瞑想に近い時間が過ごせるだろう。

目標を定めて集中して取り組むことができる作業はありがたい。


守人からの合図を待って嫁が準備した『おやき』を弁当に持ち、炭焼き小屋へ向かう。


間伐した木を長さを揃えて炭窯の中に木を並べ、蓋をする。


ゆっくりと火入れの作業が進み、道具の使い方を覚えながら火の色、音、匂い、を感じながら注意する点を教え込まれていく。


明け方になった時に七厘しちりんで『おやき』を焼き、食べる。

もちもちとして中に入った野菜と混ざり合い幸せの味がする。


見て聞いて動いて身体で炭焼きを学び、一人でも炭焼き小屋の利用ができるようになった。


自分が焼いた炭を眺めながら、できることが増えた喜びを味わうのでした。

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