炭づくり
火の番をして
明ける夜に
お焼きを出して
幸せ
==== --- ==== --- ====
何度か弁天堂で瞑想の日々を過ごしていると……。
[ 瞑想にもなるから、守人から炭焼きの作業を教わっておくように ]と、役場からの依頼を受け取った。
よい炭ができれば行商にも回せる。
覚えてしまえば確かに瞑想に近い時間が過ごせるだろう。
目標を定めて集中して取り組むことができる作業はありがたい。
守人からの合図を待って嫁が準備した『おやき』を弁当に持ち、炭焼き小屋へ向かう。
間伐した木を長さを揃えて炭窯の中に木を並べ、蓋をする。
ゆっくりと火入れの作業が進み、道具の使い方を覚えながら火の色、音、匂い、を感じながら注意する点を教え込まれていく。
明け方になった時に
もちもちとして中に入った野菜と混ざり合い幸せの味がする。
見て聞いて動いて身体で炭焼きを学び、一人でも炭焼き小屋の利用ができるようになった。
自分が焼いた炭を眺めながら、できることが増えた喜びを味わうのでした。