突然に
太鼓の音が
鳴り響く
赤子が育つ
山のまにまに
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この村には梟が『本日、太鼓を叩く』の知らせを役場から受取ってくると、玄関前に太鼓を置いて待機する習わしがある。
村に住まう人が増えるとき、山々に知らせるために太鼓を叩く。
住み始める住居の主人が一番太鼓を叩き、順繰りに隣人が叩いて音は増え続け、最後の家が叩いた時に全員が叩くのを止める。
この時の静けさときたら、小鳥もしばらく静かにしているので時間が止まったかのような錯覚を覚えるほどなのでした。
一体感を感じるのは
外から来た赤子や子供が成人すると婚姻が決まるまでは山裾に住まい山の守人になる。
留守居役や、素材を仕入れに行くときや、村の品物を売り歩く行商に出るなど臨機応変に活動していく。
稀に太鼓の音が心に響いて、親に「なんだか胸がドキドキする!」と子供が告げる時がある。
そんな時は念のため役場に『ドキドキを感じた子供の名前』を伝えて記録を残しておく。
時が経ちてその二人が婚姻することもある。
それ故に村の太鼓の音は導きが