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猫と梟

分け合えば


余るものなり


なにごとも


多めに作って


備えよ常に


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村や村の外と、細く長い交流が村人たちの暮らしを支えている。


村人は日頃から感謝の気持ちで日常に使える物を作り置く。


それらの作り置きはだいたい一年以内には手元に残らない。


竹が足りななる頃には竹が届くし、糸が足りなくなれば糸が届く。


それはフクロウが自由に出入りをして足りないものを知らせて物のついでで届けてくれる人がいるからだ。


村人が梟が見える場所で三日ほど作ったものを干すと、もっと作ったほうがいい物の近くに猫が来る。


猫は梟からもっと作るといい物を知らされて、それを伝える役割をしてくれている。


今日も建物の中へ梟が入ってきて日常を観察して去っていく。

それは観察だけの時もあれば、蒔き時には野菜の種を置いていくこともある。


蒔き時を教える担当の村人は役場で歳時記も担当していて、その歳時記は村人なら自分が生まれた干支になると読みに行くことができる。


宴の日が過ぎ去り仕事の量は三倍ぐらいになったが健やかに過ぎ去る日常がさらに愛おしくなっていくのでした。





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