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用心棒として働きなさい

主が口をあける


「どうか静かに聞いてください。福谷雅輝様、あなたの家は火で焼かれ親族もなくこの陰間茶屋に何者かによって売られました」



「え…」


頭に重たい何かが叩きつけられた感覚がじわじわきた



「なんだ…その作り話?」



「作り話ではけしてありません、あなたは売られたのです、そして私があなたをここの用心棒として買いました、これが真実なのです」




俺は耳を塞ぎ聞きたくなかった



それから用心棒としての働きを説明された


「目の前にいる客引きの占埜の用心棒をしてもらいたい、この子は15歳で1番売れている子なので同じ陰間でも格差が生まれてしまい、多々レイ○されることも多いんだ」



「俺には関係ない、そいつがどうなろうとな」


「もう君はここの子になったんだ、言うことは聞いて貰う、もし脱走などを考えていたら代わりに占埜に罰を受けてもらうから」


と言い残し


主は出て行った



沈黙が続く

最初に声を発したのは占埜だった



「あーまぁどんな理由であろうともうハチは俺の用心棒だから言うこと聞いてね、本当にあの鞭で叩かれるの痛いんだよ」



「しらない、俺はハチなんて名前じゃない!!」


と占埜の首に手をかけ押し倒した


キツくしめる

だが占埜は顔をゆがめない

人形の様なその表情はとても美しかった



「な…なんで…俺なんだよ、他の…誰かでもいいじゃないか…」



涙が占埜の頬に落ちる



「ダメ苦しい」


と言葉を発したので俺も占埜の上からどく

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