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星々のはざまで
星野☆明美
SF宇宙
2024年12月24日
公開日
856字
完結
私はカペラ。星間戦争の真っただ中で出会った相手とは。

星々のはざまで


星間戦争の真っ只中だった。


私は戦闘機の一つに乗り込み、敵機と騙し合いの撃ち合いを繰り返していた。


「カペラ!生きてるか?」


私を呼ぶ声がして、味方機のロイが接近していた。


「生きてるか?ですって?そっちこそ、のこのここんな場所までよく来れたわね」


「この戦闘は嫌な予感がする。一緒に撤退しよう」


「いやよ」


「なにぃ?」


「私には勝利の予感がするの。だからここを突破して敵陣へ乗り込むわ」


「じゃじゃ馬め」


「あら?ついてくる気?」


「うるさい、黙ってろ」


さっきまで小うるさかった敵機を撃破。


その後もロイ機は行動を共にした。


敵陣に乗り込んだ途端、あちらからの攻撃が嘘のように止んだ。


「静かね」


「確かに」


青白く輝く光源に吸い寄せられる。


……なのか?


「え?」


頭の中で響く声。


「お前たちは戦いを楽しんでいるのか?」


「まさか!仕方なくここまで来たのよ!」


「だが、いきいきとして、命が輝いているように思える」


「錯覚でしょ」


ただ、生き残りたいと強く思う。できれば平和な方がいいけれど、この状況下でそれは贅沢だ。


「カペラ?誰と話してた?」ロイが尋ねた。


「わからない」


私はそう言って、光源をじっと見つめた。


戦闘意欲を喪失しないうちにあれこれ決着をつけなきゃならない。でも、湧き出るようにアドレナリンが尽きることを知らない。


私は極限状況下で真の私になる。私という存在の全身全霊をかけて勝つ。


なぜここにいる?なぜ生きている?その答えは今の私にならわかる気がする。


「ロイ?」


「うわああああああ」


ものすごい悲鳴。のたうち回っている様子。


「やめて!」


私が一喝すると、ロイが静かになった。


「カペラ。ロイを無事に送り返す代わりに、お前は私と融合しなければならない」


「ええっ?」


「お前の命が欲しい。私と交わり、より高度な生命体になろう」


いやだ!


私は得体の知れない相手から逃げたいと必死になった。


ドカーン!


青白い光源が破壊された。


「ロイ?!」


「へへ。大丈夫かカペラ」


「ええ。ありがとう」


「ここには用無しだ。帰るぞ」


「はい」


その後、星間戦争はうやむやのうちに終わった。



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