「あらシェリル、あなたそんなブレスレット持ってた?」
「え?」
貴族学園のとある昼休み。
今日も私は幼馴染のブレアと、食堂でランチを取っていた。
「ああ、これ、昨日ハミルトン様から届いたの。留学先から送ってくださったみたいで」
ハミルトン様は私の婚約者で、半年前から隣国に留学されている。
「へー、そうなんだ。ハミルトン様もなかなかいいセンスしてるじゃない。あなたに似合ってるわよ、それ」
「ふふ、ありがと」
ブレアの手前笑って誤魔化したものの、多分これはハミルトン様が選んだものではない。
大方周りの人間が、気を利かせてハミルトン様にこれを私に贈るよう、促したのだろう。
ハミルトン様は、その辺は疎いお方だから……。
「あっ、こんにちは! シェリル様!」
「「――!」」
その時だった。
男爵令嬢のドリーさんが、料理が大量に載ったトレイをガシャンとテーブルに置きながら、私の隣の席に腰を下ろした。
「ご機嫌よう、ドリーさん」
「今日もあなたは元気ねぇ」
「えへへ、元気だけが取り柄ですから!」
そう言うや否や、ズルズル音を立てながら、パスタを啜るドリーさん。
「あれ!? シェリル様、そんなブレスレット持ってましたっけ!?」
が、すぐに私の左腕に巻かれているブレスレットを見て、目を丸くする。
「何でも愛しの婚約者様からのプレゼントだそうよ、これ」
ブレアが冷やかすような視線を私に向けながら、頬杖をつく。
お人形みたいに綺麗なブレアは、そんな様すら絵になっているのだから、いつもながらズルいと思う。
「えー! シェリル様の婚約者って、あの名門侯爵家の長男の、ハミルトン様ですよね!? わー、いいないいなー! しかもこれ、最近発売したばかりの新作じゃないですか!? 超高いやつですよッ!」
ドリーさんは瞳をキラキラ輝かせながら、ブレスレットをじっと見つめる。
すると――。
「えへへー、シェリル様、お願いがあるんですけど」
「……!」
おもむろに両手をすり合わせながら、上目遣いを向けてきた。
この流れは……。
「このブレスレット、一日だけ貸してくれませんか? 明日友達の家でパーティーがあるんですけど、そこに付けて行きたいんです!」
ドリーさんは屈託のない笑顔で、そう言った。
ああ、やっぱりこのパターンね。
「ハァ!? あなたねえ! この前もそうやって、シェリルからネックレス借りてたじゃない! しかもこれは、シェリルの婚約者がシェリルに贈ったものよ! それを借りようなんて、神経おかしいんじゃないの!?」
「いやいや、別にちょっと借りるだけなんですから、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか。それに私とシェリル様は友達だからいいんです! ねー、シェリル様? 私たちは友達ですよねー?」
「え、ええ、そうね」
友達というワードを強調されると、それ以上何も言えなくなる。
ここで私が文句を言ったら、狭量な人間だと思われそうで、怖い……。
「……いいわ。一日だけだったら、お貸しするわ」
私は左腕からブレスレットを外し、それをドリーさんに渡した。
「……シェリル」
「わー、ありがとーございますシェリル様! アハハ! 超可愛い、これー!」
早速我が物のように左腕にブレスレットを付けると、ドリーさんは俄然色めき立った。
「あっ、いっけなーい私ったら! デザート持ってき忘れてる! ちょっと取ってきまーす!」
鼻歌交じりにドリーさんは、ドタドタとデザートを取りに行った。
「もう、本当にシェリルはお人好しなんだから」
「……ふふ」
いいえブレア、私はお人好しなんかじゃないわ。
人から嫌われるのが怖いだけの、ただの臆病者よ――。
「ところでシェリル、そろそろハミルトン様が、留学先から帰って来る頃よね?」
「ええ、来週の頭に」
「フフ、どう? 久しぶりの婚約者との逢瀬を目前に控えた気持ちは?」
「お、逢瀬って……! からかわないでよ。私とハミルトン様は、あくまで政略結婚の間柄なんだから。そんな甘い空気にはならないわ」
「さて、どうかしら?」
「えっ!? ハミルトン様帰って来るんですか!?」
「「――!」」
その時だった。
皿いっぱいのパンケーキを持ったドリーさんが、ドカッと私の隣に座った。
よく昼間から、そんなに食べられるわね……。
「わー、ハミルトン様はメッチャイケメンだって、私の友達が言ってましたよ! いいないいなー!」
テーブルをバンバン叩きながら興奮するドリーさん。
私はそんなドリーさんに、苦笑いを向けることしかできなかった――。
「ひ、久しぶり、シェリル」
「ご機嫌よう。お元気そうで何よりですわ、ハミルトン様」
そして週明けの放課後。
私とブレアは貴族学園の一角にて、半年ぶりにハミルトン様と再会した。
「少しは人付き合いに慣れました? 大事なシェリルをあなたに任せるんですから、ちゃんとしてくれないと困りますよ」
「う…………うん」
ブレアが声を掛けると、ハミルトン様は露骨に目を逸らした。
ハミルトン様は昔から、極度のコミュ障なのだ。
それを克服させるために、ハミルトン様のお父様はハミルトン様を留学させたのだけれど、どうやらあまり効果はなかったようね……。
「あっ、もしかしてハミルトン様ですか!?」
「「「――!」」」
その時だった。
いつもの甲高い声を上げながら、ドリーさんがドタドタと駆け寄って来て、ハミルトン様の左の袖をキュッと掴んだ。
ド、ドリーさん……!
「え、えーっと、君は?」
困惑した表情を浮かべながら、ドリーさんに尋ねるハミルトン様。
「これは申し遅れました! 私、シェリル様のお友達のドリーといいます! シェリル様とはメッチャ仲良しなんです!」
「あ……、そうなんだ」
グイグイ近寄って、ハミルトン様の左腕にその豊満な胸を押しつけるドリーさん。
こんなに近距離で女性と接した経験のないハミルトン様は、耳まで真っ赤にしながら目を泳がせている。
「コラ、ドリー! はしたないわよッ!」
途端、ブレアがドリーさんに食って掛かる。
「えー、別にいいじゃないですかこれくらいー。タダのスキンシップですよ。ね? 別に構いませんよねシェリル様? 私たちは友達ですもんねー?」
「……!」
いつもの屈託のない笑みを向けてくるドリーさん。
「え……、ええ、そうね」
「――! シェリル……」
ブレアの憐れむような視線から、私はそっと目を逸らした。
「あっ、そうだ! こうして会ったのも何かの縁ですし、今から四人でお茶でもしに行きましょーよ!」
「え?」
こ、この四人で?
「いやいやドリー、久しぶりの婚約者同士の再会なんだから、私たちがいたらお邪魔でしょ? そんなこともわからないの?」
「えー、だってー、ハミルトン様とシェリル様は、これからいつでも会えるじゃないですか。だから今日くらい、私たちに付き合ってくれてもバチは当たらないと思いますよ! ね? ハミルトン様とシェリル様もそう思いますよね? 私、ハミルトン様ともお友達になりたいです!」
ドリーさんは更にハミルトン様に密着し、胸をこれでもかと押し当てている……。
「ぼ、僕と……、友達に……!?」
ハミルトン様はあわあわしながら、ドリーさんの胸をじっと凝視している……。
……ハミルトン様。
「あ……うん、じゃあ、四人で行こうか」
ハミルトン様はだらしない笑顔を浮かべながら、そう言った。
……嗚呼。
「…………」
ブレアから無言の圧力を感じるものの、ブレアと目を合わせる勇気は、私にはなかった――。
「あー、ハミルトン様、ほっぺにクリーム付いてますよ!」
「え? どこどこ?」
「ここですここ。うふふ、意外とおっちょこちょいで可愛い方ですね、ハミルトン様って」
「あ、あはは、そうかな」
そして四人で向かった喫茶店にて。
ドリーさんがハミルトン様の頬に付いたクリームを、自分の指で躊躇なく掬い取った……。
そして――。
「あー、んっ」
「「「――!!」」」
それを艶めかしく口元に運び、チュパッと舐めた――。
……わぁ。
「あ、あわわわわ……!」
それを見たハミルトン様は、まるで乙女みたいに両手で顔を覆いながらも、指の隙間からは、しっかりとドリーさんの口元を凝視していた。
――この瞬間、私の中で、何かがカシャンと割れる音がした。
「……本当にこれでよかったの、シェリル?」
隣に座るブレアが、溜め息交じりにそう訊いてくる。
「……ええ、もういいわ、どうだって」
私は分厚い雲で覆われている空を見上げながら、そう呟いた――。
「シェ、シェリル、大事な話があるんだ!」
「……!」
あれから一ヶ月。
貴族学園が主催している、夜会の最中。
唐突に私の前に立ったハミルトン様が、いつになく大きな声で、そう言った。
ハミルトン様の左隣には、勝ち誇ったような笑みを浮かべたドリーさんが寄り添っている。
――私は全てを察した。
嗚呼、遂にこの日が来てしまったのね。
「お話というのは、何でございましょうか、ハミルトン様?」
「い、今この時をもって、僕は――君との婚約を破棄するッ!」
「「「――!!」」」
会場中の生徒たちが、一斉に息を呑む気配がした。
そんな時なのに、私は他人事のように、あのコミュ障だったハミルトン様がこんなにハッキリものを言えるようになったことに、ある種の感動を覚えていた。
「君には本当にすまないと思う! だが、僕はこのドリーのことを、心から愛してしまったんだ!」
ハミルトン様は隣に立つドリーさんのことを、熱く抱きしめた。
「私もハミルトン様のこと、世界で一番愛してます!」
そしてドリーさんもそんなハミルトン様を、ギュッと抱きしめ返す。
この光景を見ていたら、確かに私なんかよりドリーさんのほうが、ハミルトン様には余程お似合いだなという、ある種の納得にも似た気持ちが湧き上がってくる。
私が婚約者のままだったら、きっとハミルトン様は生涯コミュ障を克服できなかったでしょうし。
「こんなことになってしまって、本当にごめんなさいシェリル様! でもシェリル様なら許してくれますよね? だって私たちは友達ですもんね?」
「――!」
今のドリーさんの「友達ですもんね?」の言い方には、いつもの媚びるような感じがまったくなかった。
むしろ立場が上の人間が、下の人間に対して圧を掛けるような言い方だ。
実際伯爵令嬢である私より、侯爵令息の婚約者になろうとしているドリーさんのほうが、今や立場は上だとも言える。
「――フザけんじゃないわよッ!!」
「「っ!!?」」
その時だった。
私の横に立っていたブレアから、突如怒号が飛んだ。
……ブレア。
「堂々と婚約者を寝取っておいて、何が友達よッ! 私はねえ、『友達』なんていう言葉を免罪符にして、ただの我儘を通そうとする人間がイッチバンキラいなのよッ!」
「なっ!?」
途端、ドリーさんは顔を真っ赤にして、青筋を立てた。
嗚呼、ブレア、あなたは昔から、本当にカッコイイわね――。
「くっ! 無礼ですよブレアさん! 男爵
豹変したドリーさんが、ブレアに真っ直ぐな敵意を向ける。
二人の間にバチバチと火花が散っているのが見える。
そんなドリーさんとブレアを、ハミルトン様はあわあわしながら窺っていた。
「そもそも男のクセにそんな女の格好をして、女言葉まで使って。気持ち悪いったらありゃしない」
――!
――ドリーさんが吐き捨てるようにそう言った瞬間、私の中で何かがブツンと切れた。
「ブレアに謝ってッ!!」
「「「っ!!?」」」
自分でもビックリするくらい大きな声が出た。
でも、大事な幼馴染をバカにされたのだ。
これだけは黙っていられない。
「男性が女性の格好をして何が悪いの!? そんなの個人の自由じゃないッ! そうやって自分勝手な価値観を押し付けようとするあなたのほうが、余程気持ち悪いわよ、ドリーさん!」
「な、なんですってええッ!!?」
ドリーさんはただでさえ真っ赤だった顔を更に赤くし、両手をわなわな震わせた。
あー、スッキリした。
ずっと我慢していたことがやっと言えて、喉のつかえが取れたわ。
「……シェリル」
そんな私に、ブレアはグッと奥歯を噛みしめながら、潤んだ瞳を向けている。
安心してブレア。
何があろうとあなたのことだけは、私が全力で守るから。
「い、いい度胸ですねシェリル様……! 未来の侯爵夫人である私の手にかかれば、あなたの家を取り潰すことだって、やろうと思えばできるんですよ?」
「えっ!?」
ハミルトン様が、「それはちょっと……」みたいな顔をしている。
確かにハミルトン様に、そんな大それたことに加担する度胸はないでしょうね。
でも今や絶対的な権力を手に入れたと思っているドリーさんの心は、まさに無敵状態なのだろう。
「そんなことは、私が絶対にさせないわ」
――!
ブレアが私を庇うように、私の前に立つ。
……ブレア。
「フン! だから男爵令息如きが、チョーシコいた台詞を吐くんじゃないわよこの三下がッ!」
「そうね、あなたがそうやって権力で弱い者イジメをするなら、私も同じく権力で対抗するしかないわね」
「……は?」
「ブ、ブレア、あなたまさか!?」
「ええ、もういいの。私は十分、自由を謳歌したから」
ブレアは太陽みたいな笑みを私に向ける。
嗚呼、ブレア、あなたはいつだって、私にとっての太陽よ――。
――あなたが覚悟を決めたなら、私もそれに応えます。
「――控えなさい!」
「「「――!?」」」
私は会場中に響かせるように、腹から声を出す。
そんな私の態度に、ドリーさんを筆頭に、全生徒が困惑の色を浮かべている。
「このお方は我が国の王太子殿下であらせられる、ブレント殿下でございます」
「「「――!!!」」」
私はブレア――いや、ブレントの隣に立ち、彼の正体を明かす。
ブレントの佇まいは依然として凛としており、それはまさに王子の風格だった。
「はあああああああ!?!? いやいやいやいや、ブレント様は子どもの頃から病弱で、ずっと王城に引きこもってるはずじゃないですか!?」
ドリーさんが戸惑うのも、さもありなんといったところだ。
まさか引きこもりで一切人前に姿を現さない王太子殿下が、女装した男爵令息として学園に通っているなんて、夢にも思わないだろう。
この事実を学園内で知っているのは、上層部の人間と、ブレントの幼馴染である私だけだ。
「それは王室が流したデマよ。私はこの通り健康そのもの。――私はどうしても自由に生きたかったの。趣味の女装も、気兼ねなく堪能したかったし。だから
「そ、そんな……」
完全に形勢が逆転してしまったドリーさんは一転、顔面蒼白になって足をガタガタさせている。
その隣のハミルトン様に至っては、今にも泡を吹いて倒れそうな勢いだ。
「でもその我儘も今日で終わり。――あなたたちみたいなゴミが貴族として国の中枢に納まろうとしているなら、将来この国を背負う身として、黙って見ているわけにはいかないわ。――私は近々王太子に復帰することを、今ここで宣言します」
「「「――!!」」」
嗚呼、あなたがこの国の王太子で、本当によかったわ、ブレント。
「私が王太子に戻った暁には、覚悟しておくことね、二人とも」
「「ヒッ……!」」
ドリーさんとハミルトン様は、ドラゴンに睨まれたコボルトみたいな顔をしている。
――が、一瞬でいつもの媚びた表情になるドリーさん。
「お、お待ちくださいブレント様ッ! じょ、冗談ですよ冗談! ほんの悪フザケだったんです! 真に受けないでくださいよー。私たち友達じゃないですか」
この子は……!
この期に及んで……!
「あらそう? 私はあなたのこと、一度も友達だと思ったことはないけど?」
「なっ!?」
うん、私もブレントはそうだと思っていたわ。
「さっ、今日はもう帰りましょ、シェリル。もう一分一秒でも、こんなやつらと一緒の空気は吸っていたくないわ」
「……ええ、そうね」
絶望に絶望を塗り重ねたような顔をしているドリーさんとハミルトン様を尻目に、私とブレントは会場を後にした――。
「見て、シェリル、今夜は一段と月が綺麗ね」
「え? ああ、本当ね」
外に出て顔を上げると、そこには雲一つない夜空に、煌々と輝く満月が浮かんでいた。
その光景はどこか幻想的で、まるで夢を見ているかのような感覚に陥る。
実際今日の一連の出来事は、まさに夢のように突飛なものだった。
「……ごめんなさい、ブレント。私のせいで、せっかくのあなたが自由に過ごせる貴重な時間を奪ってしまったわ」
今になって無性に、ブレントに対する申し訳なさが込み上げてきた。
あんなに自由を愛していたブレントが、明日から窮屈な生活を送らなければいけなくなるのかと思うと、胸が重い。
私を庇ったりしなければ、せめて卒業までは自由を謳歌できたのに……。
「フフ、あなたは一つ勘違いをしているわよ、シェリル」
「え? ――ふぐっ!?」
急にブレントが両手で私の頬を左右から挟んできたので、思わずマヌケな声が出てしまった。
ブ、ブレント……!?
「確かに私は自由を愛しているわ。でもね、私がこの世で一番愛しているのは――あなたなのよ、シェリル」
「――!!」
ブレントは蕩けるような甘い瞳で、私の目を真っ直ぐに見つめながら、そう言った。
あまりの衝撃の告白と、女性よりも余程美しいブレントの顔が、吐息が掛かりそうなくらいの距離にあることで、私の心臓がバクバクと早鐘を打っている。
あわわわわ……!!
「私が初めて女装をした時、周りの人間が
「ブレント……。そんなの当然じゃない。さっきも言った通り、どんな格好をするのもそれは個人の自由だし、何よりあなたは私の一番大切な友達なんだもの」
そう、ドリーさんと違って、ブレントは私にとって本物の友達だ。
「フフ、ありがと。そんなあなただから、私はあなたを好きになったのよ。だからあなたが幸せになってくれるならと思って、断腸の想いで
「ブレント……」
そうだったのね……。
そんなあなたの想いに今の今まで気付かなかったなんて、私はなんて罰当たりなのかしら。
「でもこうなった以上、もう私は我慢しない。――これからは私が生涯を懸けて、あなたを幸せにしてみせるわ、シェリル」
「――!」
思わず涙が溢れ、視界が水の膜で歪む。
この瞬間、私はやっと理解した。
私も長年目を逸らしていただけで、ずっと昔から、ブレントのことを愛していたのだと――。
「ありがとう、ブレント。私もあなたのことを、この世の誰よりも、愛してるわ」
「フフ、知ってるわよ」
なんと。
慧眼を持つ幼馴染には、とっくの昔に私の気持ちはバレていたらしい。
「……シェリル」
「――! ……ブレント」
月だけが見守る暗がりの中で、私とブレントはそっと誓いの口づけを交わしたのだった。