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第13話 至高のおっぱいは誰のもの?

「こぉの選びに選び抜いた至高のおっぱいはぁ、すぅでにぃ、わたくしのものなのですわぁん! ですからぁ! 不要なおっぱいについてはぁん! もういらないし、じゃまだからぁん! まるっとサクッとお返しいたしますわぁん!」


 それは、条件の提示ではなく、もはやただの宣言だった。

 魔女が、只今装着お楽しみ中のおっぱいを返すつもりがないであろうことは、皆薄々察しがついていた。

 一つを差し出せば、残りはまるっと返却すると、そう交渉してくるのだろうと予測していた。

 だから、隊員たちは魔女には一切注意を払わず、魔女の要求に対して隊長が何と答えるのか、そこに飲み関心を寄せていた。


 ……………………が、魔女は要求も交渉もすっ飛ばして、自らの望みを確定事項とした。


 魔女がパチンと指を鳴らすと、おっぱいクリーチャーに生まれ変わって新しいおっぱい生を楽しんでいたおっぱいも、床に散乱していたおっぱいも、すべてがぱふっと消えた。


「あ!」

「わ!」


 そして、平原だった女魔術師たちの胸が、ぱいん、ぽよんと膨らんだ。

 ぱいんぱいん――――と張り。

 ぽよんぽよん――――と揺れ。

 存在を主張している。


 ぱいんとぽよんの二人は、素直に再開を喜べずにいた。

 己が身を離れていた間、一体どの群れに属していたのかと考えると複雑だ。

 だがすぐに、分らぬならば分からぬままにしておこうと気を取り直した。

 同時に、魔女との魔法技術格差が激しすぎて、発動を目の当たりにしても薄っすらとした片鱗すら掴めなかったおっぱい魔法技術の確立はすっぱり諦めた。

 取り外している間に何者かに奪われたら、どんな風に使用されるのか分かったものではないと過ぎ去りし現実から学んだのだ。

 せっかく戻って来たぱいんとぽよんを大事にしよう――――と二人はそっと胸に誓った。

 誓いを立てている二人を横目で見ながら、ミハルは再び生まれた女魔術師内おっぱい格差に「ぐぬぬ」と唇を噛みしめ唸り声をあげた。


 さて、隊長のおっぱいは……というと。

 鎧を着ているため、傍目には返却の有無が分からなかった。

 本人は喜ぶでも悲しむでもなく至って平静だったが、いつものことなので表情から推し量ることも出来ない――――が。

 別に望んだわけではないが貧乳を貫き通した女騎士二人は、血相を変えて部隊長サリに詰め寄った。


「ちょ、ちょちょちょ! た、隊長!?」

「いいんですか!? いいんですか!? だって、あれ!」


 二人は、隊長の右腕と左腕にそれぞれ取りすがって揺さぶりながら、同時に叫びを放った。


「「あれ! 隊長のおっぱいですよね!?」」


 女騎士たちの声は、とてもよく響いた。



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