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第7話 至高のおっぱい見つけちゃいました!

 特に妨害も罠もなかったため、一行はあっさりと目的地に到着した。

 大草原の真ん中に、大局的にはポツンだが近くで見るとドッシリ建っている魔女の館へ難なく到着した。

 馬車を下りると、部隊長サリは振り向くことなく指示を出した。


「作戦通り、魔女との交渉は私が行う。皆は指示があるまで控えているように」


 言い終えたサリは、返事を待つことなく魔女の館の玄関へと向かった。

 作戦とも言えない作戦ではあったが、他に妙案があるわけでもなし、隊長には何か考えがあるのだろうと、隊員たちは小さく了解を告げ、隊長の後を追いかけた。

 館はそれなりの大きさで、華美ではないが、きちんと手入れがなされていた。

 サリは玄関の前に立つと、躊躇いなく呼び鈴を鳴らす。

 黒く重厚な扉の真ん中に、銀色の鈴が分かりやすく浮き彫りにされていた。サリが鈴に触れると、


 リン ゴロ ガロン ローン♪


 軽やかで楽し気な鈴の音が大音量で響き渡った。

 緊張がそがれる音色に、天然隊員たちのやる気はそがれた。

 後天性平原たちは、波長が合うのかキャッキャッと楽しそうだ。

 隊長であるサリは、冷静に平然と魔女からの応答を待っていた。


 かくして、扉は開かれた。


 押戸でも引き戸でもない。

 扉はゴゴゴと重い音を立てて地面へと吸い込まれていった。

 魔女の趣味なのだろう。

 呼び鈴の軽やかさと扉開閉の重々しさとの落差がありすぎて、微妙に心が乱される。

 しかも、心理的かく乱を狙って仕掛けたことではなく、好きなようにやったらこうなりました感が満載で、それがまた微妙感を加速させた。


 魔女は、玄関先で待ち構えていた。


 草原には妨害も罠も仕掛けられていなかったが、来訪者を感知するような魔法くらいは、流石に仕掛けてあったのだろう。

 魔女は、犯行声明同様、高笑いと共に部隊を歓迎した。


「お~ほっほっほっほっほっほぉおおおお! よぉーく、いらしたわぁん! あの貧乳王女がいないのはぁ、残念だけれどぉん! まあ、いいわぁん! さあ、あーなたたちぃん! ポニョン国一のおっぱい美女となったこのわたくしのぉん、美しく麗しい姿をその目にとくと焼き付けてぇん! あの貧乳王女にぃん、子細漏らさず伝えるのよぉん! そうして、あの貧乳にぃん、盛大なるぅ、地団太を踏ませてやってちょうだいぃん!」


 この日のために用意していたのだろうか。それとも、急遽手配したのだろうか。

 魔女は胸の開いた深紅のドレスを着て、殊更谷間をアピールしてきた。

 胸の付け根で、三つのほくろが正三角形を刻んでいるのが特徴的だが、それすらも霞むほどの見事なおっぱいだった。

 下品になる一歩手前の、たわわわわんなおっぱいは、『ぽよよん』と『ぱっつん』を程よいバランスで兼ね添えた、とても素晴らしい逸品だった。


(((((なるほど! すべては、付け替えを楽しむのではなく、自分のものとするための、至高のおっぱいを厳選するために仕出かしたことだったのか……!)))))


 この時、五人の隊員たちの心の声は一つになった。

 だが、そこにのせた心情には、天と地ほどの格差があった。格差の詳細については、説明するまでもないだろう。


 そして、隊長であるサリは、というと……。


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