「はい。喜んで依頼をお受け致します。私はどんなスキルをいただき、異世界で何をすればよいのでしょうか?」
そう言うと女神様は片方の眉をクイッと引き上げられました。
「スキル? なんだそれは? そんなものは与えんぞ?」
───え? ま、まさかスキルなしで異世界に放り込まれるパターンですか?
私は慌てました。
「あ、あの、女神様。私は異世界が初めてなので、どんな能力でも構いませんので何かスキルをいただきたいのですが……」
すると女神様はますます眉を引き上げられました。
「まず先ほどから
そう言われて私はとても驚きました。
「えっ?! そうなんですかっ?! そ、それは失礼しました……。あの、それでは貴女はいったい……?」
「
「ま、魔王の……お、お母様……?」
「そうじゃ。
な、なるほど……。魔王のお母様だったのですね。
確かに黒の妖艶なドレス姿は、言われてみれば「魔王のお母様」といった感じです。
女神様とイメージが合わないことに納得できました。
「女神様と間違ってしまって失礼しました。あの、ところでお母様……」
「なんじゃ?」
「その……。
「……なんじゃと?」