不幸なことがあって、虐げられた可哀そうな女性が奇跡に出会い、イケメンに助けてもらって、幸せになる女性向け作品はたくさん存在しています。
出版社やプラットフォームが作家に募集する女性向けの作品(特に、恋愛要素のあるもの)もそれが中心になっていますね。
以前、女性向け作品を企画する際に、女性向けにしては大き過ぎ、女性向け作品の読者はすぐ恋愛に落ちるものにしか興味ないのようなことを言われたことがありますが、強い違和感を覚えました。
男性向け作品に携わったこともあります。ターゲットを男性向け読者に設定すれば、ラブコメでも王道ファンタジーでも「大きすぎ」という問題がないのに(むしろプラスポイント)、どうして女性向け作品は、スピード恋愛に限定されるのでしょうか?
もちろん、恋愛やハーレム作品はヒットジャンルではあります。しかし、それ以外に、女性自身の強さを表現する、女性主人公が世界をリードする王道ファンタジーのような女性向け作品を求める読者も多くいらっしゃると思います。
私自身も周りの多くの友達も、恋愛がメインディッシュの女性向け作品より、女性が「戦う」ファンタジー作品に魅了されています。
この作品では、最もつらい時を自力で乗り越える、運命に翻弄されても弱音を吐かない、絶対めげない女性を主人公にしたい。
天真爛漫ではなくても、道を踏み外しても、善良な心と誇りを持って生きていく自立的な女性像を描きたい。
黒闇の中の光は一番輝かしいと思います。
また、恋愛に関して、ヒロインがただ助けられキャラではなく、ある程度完成された姿で登場し、互角な立場でヒーローと絡み合う恋愛も独特な面白味があるのではないでしょうか?
もともと第三人称で書くつもりだけど、第一人称のほうがよりよく主人公の心理と葛藤を表現できると気付いて、第一人称にしました。
メジャーの女性向けファンタジーより感情移入しにくいかもしれない、甘い恋愛へのご期待を裏切るかもしれないが、少しでもコンセプトを伝えできたら嬉しいです。
長々の前書きになりましたが、何卒、よろしくお願いいたします。