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永遠のLV1。無職スキル無し。おっさんモブが追放。俺だけ別ゲー仕様なので近未来パーク(スキル)で知らぬ間に成り上がる。
永遠のLV1。無職スキル無し。おっさんモブが追放。俺だけ別ゲー仕様なので近未来パーク(スキル)で知らぬ間に成り上がる。
ひなのねね
異世界ファンタジー冒険・バトル
2024年12月17日
公開日
2.5万字
連載中
「ステータスオープンって俺だけオープンワールドゲーム仕様なんだけど!?」

オープンワールドゲーム好きのオッサンは、低ステータス過ぎて追放されてしまう。
彼は好きなゲームの近未来パーク(※スキルのようなもの)を駆使して、異世界を満喫する。

途中、生活力マイナスの最強魔女や半魔族化した子供たちと運命を共にする中で、トラブルを解決し、知らぬ間に成り上がっていく。

※4話からヒロイン登場
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◎ストレスフリー
◎主人公は負けない
◎分かりやすい文章表現
◎軽い戦闘描写
◎後半はラブコメ調も含まれる
◎比較的軽い内容(※残虐、重たい話は無し)
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※ざまぁ要素は極極極低
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※10万文字以上突破し、15万PV突破中の最新話はカクヨムで執筆中です。
https://kakuyomu.jp/works/16818093086666246290

第1話 モブのおっさんは追放されてガラクタを拾う

「貴様は召喚英雄パーティーには不要だな、無職レベル1の中年よ」


 厳かな王の声が召喚の間に響いた。

 昔は相当な武人だったのだろう、 顔に深いしわが刻まれ、左目には深い傷。


「しかも【召喚英雄スキル】すら持ち得ぬとは。なるほど、大人になってもなんと鍛錬が足らぬ表情と体躯たいくか――」


 周囲の視線が痛い。

 一緒に召喚された高校生4人組は、華々しい【召喚英雄スキル】が表示され、早々に【召喚英雄専用武器】を手にしていた。


「これでは魔力を独占しようとする魔族たちへ、太刀打ちは出来んな」


 王の言葉に、高校生たちはひそひそと話し、こっちをちらりと見ては笑っている。

 俺も30代になって会社で肩身の狭い思いはしてきたが、異世界にまで来て「不要」と言われるとは。


 召喚を執り行った魔法使い達も、俺のステータスを見て好き放題いう始末だ。


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■ステータス

□レベル  :1(次のレベルまで∞)

□職業   :無職

□ステータス:体力1、力1、魔力1、器用1、素早さ1、運0

□保有スキル:なし

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『すべてステータス1なんて存在するのか――?』

『こいつ、どうやって生きてきたんだ?』

『ひい、無職の中年だ……!』


「――騎士団長、副騎士団長」

「はあい」「はっ」


 豪華な鎧に身を包んだ2人が、一斉に敬礼する。

 王は静かに息を吸い、重低音の声で言い放った。


「その者――ユウギ デンジを追放せよ!!」



★ ★ ★



 ――1時間後。


◆【ようこそ、王都セブンスへ】

※実績が解除されました。


城門を抜けた瞬間、俺の視界にメッセージが浮かび上がった。


「ん、実績が解除されたな?」


 耳慣れた解除音に、不思議と心が和む。

 俺はユウギ デンジ、召喚前はブラック企業の会社員だ。

 30代で異世界に召喚されたのに、今は城下町の路肩に座るただの無職である。


「本当なら、家でゲーム三昧のはずだったのになぁ」


 秋葉原のゲームショップで新作「ナイトブレードライダー4099Ⅱ」を買った帰り道、突然光に包まれ、ここに飛ばされてしまった。


「異世界でも長期的なキャリア形成の観点から、おっさんは不要ってことかね。

 何も城下町に投げ捨てなくても」


 ステータスは全て1、レベルアップに必要な経験値は【∞】(無限)。

 どうやら一生レベル1らしい。


「けど高校生の中におっさんが混ざるのも忍びないし、低ステータスの俺を無駄死にさせないように追放してくれた――と解釈しよう!」


 俺の良いところは切り替えが早く前向きなことだ。

 そんなことを考えつつ、目の前に浮かぶ「ステータス画面」を見直していると……おかしなボタンを見つけた。


 「これ、なんだ?」


 画面の端に、小さくバグったようなボタンがある。

 恐る恐る触れると、ステータス画面がくるりと回転し、俺が大好きな「ナイトブレードライダー4099」のメニュー画面そっくりの表示に変わった。


「……マジで?」


 目の前に広がるのは見慣れた「装備」「ステータス」「実績解除」などのメニュー。

 だが、所々に見覚えのない項目が増えている。


「『カンパニー』、『ハウジング』?

 まさか 2作目仕様か!」


 つい顔が綻ぶ。発売日当日に異世界転移したせいで未プレイだったけど、まさかこんな形で触れられるとは!


 ここで俺は更に胸躍るタブを発見する。


「おっ、『実績解除』タブも健在だな!」


 1作目で実績100%を達成した俺のゲーマー魂が騒ぎ出す。

 画面を開いてみると、どれも異世界で解除可能な内容になっている。


「……よし、やってやろうじゃねえか」


 追放された中年が――。


「異世界で実績全解除してやるよ!」


★ ★ ★


 メニューを確認しつつ、まずは「パーク」をチェックする。


:ガラクタ分解1取得


 俺の初期ポイントで『ガラクタ分解1』を取得し、近くに転がっている木材を視界に捉えると……。


「おお、アイテムボックスに入った!」


 アイテムボックスには「素材:木材」として登録されていた。

 次に、割れた剣を分解してみると、「ニューアイアンインゴット」として登録される。


「……これ、すげえ」


 胸の奥がじわりと熱くなる。何かが動き出す予感がする。


「まずは町中の素材を集めて、資金を作るところから始めるか!」


 俺は立ち上がり、ゲームのような自由な世界で、何をしようか考えながら歩き出した。



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🌸次回:第2話 英雄たちのルート↓

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