「渚が死んだんだって。」
告げられた突然の事実 ━━━
幼い頃、別れた双子の姉・渚の死を突然知らされた海。
自由奔放な母に育てられ、そんな母に逆らう事も諦め、母の顔色を窺いながら暮らしている。
母は迷惑そうに渚の家の処分を海に押し付け、自分は若い男とのデートへ向かう。
海は様々は思いを抱えながら「渚の家」に行きます。
渚の生活の痕跡がまだ渚が生きているかのように残っている「渚の家」
ふと見た写真立てには渚と一緒に映る男の子。
その日のうちにその男の子と出会う海。
その子から「出て行け」と言われて、一旦は家を出ます。
「何も知らないんだな」
そう大家さんにも言われる海は、やるせない感情を抱いたまま「渚の家」の事、渚の事を知って行く…。
その先にあるものとは…━━━
自由奔放な母、仲の良かった双子の姉、責める意図は無くとも発せられる言葉に棘を感じてしまう瞬間、渚の生きていた痕跡を感じる海は何を思うのでしょうか。
渚の家のある場所の描写や心情が細かく描かれていて、流れるように文字が頭の中に入って来ます。
とても読みやすく、また想像もしやすいです。
男の子は何を語るのか、知らなかった双子の姉の事を知った海は何を思い、そしてどうしていくのか?
とても先の気になる作品です。