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物書き徒然日記
物書き徒然日記
田鶴
文芸・その他雑文・エッセイ
2024年12月15日
公開日
4.6万字
連載中
Web小説関連について書いた雑多な創作論寄りのエッセイですが、作品紹介もしています。

小説の執筆技術というよりは、カクヨムで公開中の感想・作品紹介エッセイ『迷える子羊の読書録』で他の方の作品を紹介していく際に気になった色々なテーマを順不同で取り上げています。

なお、『迷える子羊の読書録』の中の「物書き徒然日記」コーナーの記事と作品紹介記事をネオページ投稿にあたって加筆修正しています。

『迷える子羊の読書録』
https://kakuyomu.jp/works/16818093085464641449

第1話 カクヨムで自主企画を初めて主催した時のこと

 カクヨムには、ユーザーが他のユーザーの参加を募る自主企画があります。ネオページユーザーさんでもカクヨムを併用している方が結構多いように思うので、詳しい説明は省きますが、自主企画では一定の期間を設定して好きな趣旨で作品を募集します。


 私は、現在(2024年12月)カクヨムを使い始めて2年強になりますが、今年7月まで自主企画を立てたことがありませんでした。今回の記事は、その経験を語るものです。


 私は、今年7月4日に『そのドロドロ、過剰です⁉︎』と題した自主企画を立てました。カクヨム活動2年弱にして実に初めてのことでした。


 自主企画名は、角川ビーンズ文庫『その溺愛、過剰です⁉︎』コンテスト(応募期間2024/7/1~9/2)のパロディです。カクヨムユーザーなら、ピンときたかもしませんが、カクヨムで応募できたコンテストです。


 私自身は溺愛コンテストには応募しませんでした。「『君を逃がさない』系ヒーロー」との恋愛物語なら、あれをと思う作品はあったのですが、制限字数(6万字)を大幅にオーバーしていて調整するのが大変そうでした。それにそのヒーローとの「愛される幸せのある作品」が求められるそうなので、「バッドエンドじゃ駄目だ」と応募を断念しました。


 それなら、コンテストに応募できないドロドロ愛憎劇、それもバッドエンドやメリーバッドエンド(メリバ)の結末の作品(じゃなくてもいい参加条件にはしました)を自主企画で募集しようと思いつきました。


 ですが自主企画を初めて主催してみて、管理の難しさを痛感しました。


 元々、企画の参加ジャンルとして恋愛と歴史・時代・伝奇の2ジャンルだけを設定していたのですが、すぐにホラーや現代ドラマの作品が参加されました。ホラー作品はそのまま残ってもらって、今後参加する作品のジャンルは、現代ドラマも合わせて3ジャンルに拡大しました。すると、しばらくしてからその3ジャンル以外の作品も自主企画に次から次へと登録されました。


 私も自主企画に参加する側として、「カテゴリー違いは削除する」という企画の紹介文を何度も読んだことがあります。でも主催者の皆さんが実際にそうされているかどうか分かりません。


 私は、せっかく参加してくれたのにという気持ちが強くて自分の自主企画からカテゴリーエラーの作品も削除したくありませんでした。それにカテゴリーエラーの作品の中にも私がレビューを書きたいと思って書いた作品もありました。その結果、なし崩し的にドロドロ展開があるなら全ジャンルOK、だけどなるべくその3ジャンルでという曖昧な決まりにしてしまいました。でもそれだったら最初から全ジャンル対象にするか、毅然として対象外ジャンルの作品を削除するか、どちらか毅然とした対応のほうがよかったと反省しています。


 参加作品数は、自作の1点を含め、中間時点の8月4日時点で33作、最終日の9月3日には32作となりました。でも途中で企画を抜けた作品もあり、累計参加作品はもう少し多くなります。


 自主企画は大量にありますが、企画によっては100作以上が参加し、企画主催者がフォローするのは困難です。たとえ参加作品が多くなくとも、実際問題として企画参加作品が超長編だったりすることもあるでしょうし、全作品を最終話・最新話まで読んでレビューまで投稿するのは不可能でしょう。実際、私がいくつもの企画に参加した経験からも、主催者からの何らかのアクションほとんどありませんでした(でもする義務もない)。


 自分の自主企画では、私は全参加作品を少なくとも数話読んで(数話で完結する作品と短編は完読)コメントをしました。でも大変申し訳ないことに、未だに最終話もしくは最新話まで読めていない作品もいくつもあり、レビューを書いたのも数作に留まっています。


 初めて自主企画を立ててみて、上記以外の反省点も見えてきました。


 溺愛コンテストの締め切りが9月2日だったので、この自主企画を9月3日までにしましたが、こんなに長期間の企画にしたのにはその他にも訳があります。自分の作品を自主企画に参加させる時、数日しか開催期間が残っていない企画よりも長期の企画のほうが注目されるかなと私はなんとなく思っていました。ですが、それは全くの誤解でした。近況ノートでも企画を立てた日と中間時点、終了前日にも企画の告知をしたものの、2ヶ月間の企画後半期間にはほとんど新規参加作品がなかったことからも分かります。


 でもこれはカクヨムの自主企画ページのシステム的な欠陥にも一因があると思います。同様の不満を聞いたこともありますので、私だけの意見ではありません。


 まず、ワークスペースの小説設定画面で自主企画を選ぶ時、開始日が古い自主企画ほど下に表示されるので、そのような企画を見つけるためには随分とスクロールしないと発見できません。それなのに自主企画一覧ページで自主企画を検索したり、並び替えたりできません。しかも自主企画をブックマークできないので、尚更です。


 自分の企画をプロフィールページ(マイページじゃなくて他のユーザーも見れるほうです)やマイページにも表示できないのも不便です。自主企画もプロフィールページやマイページに表示してもらえれば、そのユーザー自身も自主企画の管理がしやすくなります。それに他のユーザーだって、その人の立てた自主企画を見て執筆作品や読む作品の傾向が分かるから、フォローしようかどうか迷う時に参考になるでしょう。


 後はボタン1つで自主企画に参加できるようにシステムがなっていないのも不便に感じています。自主企画ページの右側に「このイベントに参加する」という表示がありますが、その下にあるボタンは「ワークスペースへ」なので、これをクリックするとワークスペースの自分の小説リストに遷移してしまいます。それからまたいちいち小説設定画面を開いて目的の自主企画を探してチェックを入れるためにスクロール……キーッ!って言いたくなる時があります。まぁ、ブラウザのページ内検索機能を使えば、目的の自主企画を探すのは多少楽にはなりますが、そんなことをしなくても自主企画のページのリンクから参加させたい自作を選べるようなシステムができるといいのにと思いました。


 私の結論としては、恐らくもう2度とカクヨムで自主企画を立てません。それは今まで述べたシステム的な不満や管理の難しさも一因ですが、カクヨムで公開中の感想・作品紹介エッセイ『迷える子羊の読書録』が自主企画みたいなものだからです。自主企画を立ち上げるなら立てただけで放置したくないけど、全部読むのは困難、それに自作の執筆もしたい。そうなると時間が圧倒的に足りません。経験上、あまり交流に結びつかない自主企画より、『迷える子羊の読書録』のほうが手ごたえを感じているので、自作の執筆に力を入れたいと思います。


 そうは言っても、これからも他の方の自主企画を活用させていただくつもりです。ご都合主義かもしれませんが、せっかく他の方が提供してくれるものは利用したいのです。テーマに合う企画には自作を参加させたいし、企画参加作品の中で素晴らしい作品を見つけたら『迷える子羊の読書録』でも紹介したい。時々、私は自主企画をざっと眺めて面白そうな作品を読んでいますが、その中でも素晴らしい出会いがいくつもありました。だからネオページでも、作者同士が交流できるように、また読者が好きな傾向の作品をひとまとめにして見つけられるように、自主企画のようなシステムがあるといいなと思います。


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