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雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!
七瀬 みお
異世界恋愛ロマファン
2024年12月14日
公開日
8.7万字
連載中
【他サイトにて800万PVを更新中・メディアミックス化作品】
【月曜・木曜 00:03am更新予定、原稿モード推奨】

コミカライズ作品をデジタルマーガレット(デジマ)様
コミックシーモア様他、各書店様にて配信中


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理由あってウェイン城に身を隠し
そこで下働きをするマリアは、慣れない仕事でドジを繰り返した結果、
地下牢に囚われた殺人の疑いのかかった男の世話を言い付けられる。
秀麗な容貌のその囚人はマリアを拒否するが、彼女が献身的に囚人の面倒を見続けていると、
彼は心を開くようになっていく。
あるとき彼は自分の名前を告げ、マリアにペンダントを託す——。
素性を明かせない王女と王女を探し求める皇太子の、すれ違い溺愛ストーリー。

(他サイトにて編集部オススメセレクションに選出されました)


* * *


《ドジばかり繰り返していたら、皇太子の添い寝役を拝命しました。》

——そばにいたいです。
いつかあなたの手で、この命を絶たれるとしても——

小国のウェイン城で下働きをするマリアは、何をしても失敗ばかり。
見かねたメイド長に『特別な仕事』—とある囚人の配膳をさせられることに。

殺人の容疑をかけられ捕らえられたという、
何やら事情を抱えていそうなその囚人の怜悧な美しい眼差しに
マリアは思わず見惚れてしまう。
無精髭を生やし髪も伸びてはいるが、
まるで囚人らしからぬその青年にはどこか孤高の気品を感じずにはいられない。


《皇城に呼ばれたマリアは、身分を隠した皇太子の添い寝役を命じられ
無自覚な皇太子にとろけるほどに愛されて———。》


そしてマリア自身もその身分を隠していた。
素性が知られれば、皇太子に殺されてしまう?!

皇太子が王女を探す本当の理由とは……。
王女を探し求める皇太子と、彼の腕の中にいるのに
素性を明かせない王女のじれ甘すれ違い溺愛ラブストーリー。

Prologue



 *┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈*




 かつて、シャルロワ国にたいそう慈悲深い姫がいた。

 その名はリュシエンヌ・マリーア・シャルロワ。


 母親は王の妾であったため、母親とともに王城の離塔に幽閉され、卑しい血筋の王女としてシャルロワの王族たちから虐げられていた。


 最愛の母親が崩御すれば、彼女は十四歳という若さにもかかわらず、わずかばかり遺された財産をも貧しい農民や病人たちに分け与えた——それは家族数人が数日分食べるほどにもならない金額であったそうだが——幼き王女は、シャルロワ国を支える農民たちから絶大な支持を得たという。


 そののち、帝国軍との戦争によって祖国が滅亡したあと。

 戦火を逃れ生き残った、シャルロワ王家の血を引くただ一人の王女、リュシエンヌの行方を知る者はいない。




 *




 かつて西と東の諸国を支配するアスガルド帝国に、若き有能な皇太子がいた。

 その名はジルベルト・クローヴィス。


 帝国はウエストエンパイアとイーストエンパイアの中心に位置するシャルロワ国を属国とし、国領を手の内におさめようとしたが、黒い思惑を持ったシャルロワの国王はその申し出を拒んだ。


 帝国のためだけに生き帝国のためだけに戦う皇太子は、シャルロワ王族を根絶やしにするため、冷酷とも言える血の剣を振るった。

 だがシャルロワ王族の血縁のなかでただ一人だけ、皇太子ジルベルトの剣を逃れた者がいた。


 王城の離塔に幽閉されていた王女リュシエンヌだ。


 帝国がシャルロワ国領を手中に収めてから三年が経った今でも。

 皇太子ジルベルトは、雲隠れした王女を血眼になって探し続けているという。




 *┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈*




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