豪華な演出が終わり、ゲーム画面では座り込んだバクティが羽根筆を持って本に何かを書き込んでいる。様々なシーンを読み返せる。ゲーム中の「アルバム」機能が開放された事を告げていた。
「ターミナル画面で宝箱アイコンをタップすると、クリア記念の武器と、彼が待ってるよ」
「彼、ですか?」
禀は宝箱アイコンをタップして中身を解放した。キュプリオト族の剣と名付けられた片手剣1振りと、金色のタペストリーが表示された。
「ぬ。坊主たちか。また会ったな」と画面内のズルカルナインが手を振っていた。
「彼、度々イベントでも出てくれるんだよね」
「早い再会ですね?」
「いわゆる章報酬キャラクターだからね。さ、これでプロローグと1章終わりだよ。どうだった?」
〝面白かったです! 〟
〝久々に見るとなかなか良いよな〟
〝長すぎず。短すぎず。他にイベントとかやれば、いくらでも遊べるもんな〟
〝ハデすぎず、重すぎずって難しいもんなwww〟
「面白かったですね。次の章もやってみたいです」
「結び目を攻撃しなかったらどうなってたのよ。アーリアさん?」
「相応の経験値は入るけど、とてつもなく強いからやり込み要素みたいなものなんだよ」
〝いわゆる半負けイベントになりかねないのよな〟
〝ターン1巡経過で、1回狙えなくなるしな〟
〝6回結び目攻撃すれば、イベント発生って形の戦闘だからね〟
「最後の武器の選択肢は、どうなんでしょうか?」
「アレ。即死イベントなんだよね」
「うえっ!? 本当に?」
〝マジマジ「できる」からって何でも手を出すと即死する〟
〝浮ついた判断が即死につながる。まあ、コンテニューは楽なんだけど〟
〝一瞬の判断が命取り。おれタップばっかりしてたから押しちゃった♡〟
〝ちゃんと読めよwww〟
「タップで焦る人ほどやられちゃうよね。オートもあるんだから、焦らずやれば良いんだよ。私も押したけど……」
「押しちゃったんですか?」
「好奇心に負けちゃった♡」
〝気持ちは分かる〟
〝まあ、1回は試しちゃうよな〟
「さて、あとはガチャでもと思ってたけど、思ったより時間もあるし、雑談でもしよっか」
〝わ〜い!!! 〟
〝やったぜ〟
〝ノープラン。たまには良いもんやなw〟
〝最近どう? 面白いアニメ見た? 〟
「あ。精霊様が機動戦士の魔女っ子好きみたいです。この前カズくんと……あっ」
〝ほほうw〟
〝ああうんやっぱり〟
〝やはりアリカズVSリンカズの可能性が、微レ存……?〟
「もうなんか、トトカルチョでもしてそうな勢いね……」
〝ギクッ!? 〟
〝そ、そ、そんな、競馬じゃあるメーし〟
〝お前ら……〟
「何でも賭け事にしちゃう、イ◯リス人じゃないんだから……みんなは他に、どんなゲーム好き?」
〝何でも好きだぞ! ポケットなモンスターとか! 〟
〝FPS RPG シュミレーション。何でも楽しいよね〟
「次回やるとしたら、なにしよっかな? レトロなの結構持ってるんだよね」
アーリアはテレビの下にしまってある物品を漁り始めた。いつの間にかアーリアがレトロテレビゲームを紹介し始め、全員で少しプレイして一喜一憂し、配信を無事に終える事になった。