それから数日、雨の日が続いた。
部活は室内に移動し、筋トレ中心のものになった。もちろん、空港での自主練習も休むしかない。
ろくに走ることができなくて、気ばかりはやるがどうしようもない。自分をなだめながら、とにかく室内でできる基礎練習を繰り返す。
雨天は問答雲のせいかもしれないと思うと、そのたびに、空港へ向かう先輩の後姿が思い出された。
あの日はあれきり、会えずじまいだった相原先輩。
きっと急用でもできて、私の知らないうちに本を取りに来て帰ったのだろう。
どこか釈然としないけれど、考えすぎると練習の邪魔になるので、あえてそう自分に言い聞かせる。
大会まではあと二週間。それまでに、どこまで記録を伸ばせるだろう。