その日の夜──
【
そして、明後日の早朝にその本陣を奇襲すること──
「……そうか。奇襲を行うのか……」
窓際に
「このような
「いや、この国をそこまでの窮地に追いやってしまったこの私にこそ責任がある。お前が気に病むことは無い」
「では、具体的な段取りを聞かせてもらおう」
王としての風格を充分に漂わせる凛々しい口調で言った。
はい、と言って
「それでは、こちらをご覧ください。わたしたちの砦はこの位置にあり、
「……よくここまで調べられたものだ」
地図上に記された記号を眺めながら、
「ご覧のとおり、わたしたちは各所に配置されている【
「まず、敵本陣に辿り着くまでに、早くても半日はかかる距離にあるな。そこまで敵に気づかれずに移動するのは至難の業であろう」
「はい。普通であればすぐに悟られてしまい、敵の虚を
「霧だと?」
意外な言葉に、
「たしかに、霧の中であれば敵の目も届かず密かに移動するのも可能かもしれない。だが……まさか、明後日の朝に霧が発生するとでも言うのか?」
「はい。天候の先読みに詳しい方がおりまして、高い確率で明後日未明、発生するとのことです。今、その方には念のために
「そうか……。地の利のある【
「よし、その策でいこう。詳細な進行と指揮は
立ち上がり、決意を口にした。