目次
ブックマーク
応援する
4
コメント
シェア
通報

第18話 セックスレス

 『セックスレスで離婚した』


 そんな話をよく耳にするが、うちはまだ離婚の心配はなさそうである。


 しかし、同棲時代は、セックスレス問題で何度も喧嘩を繰り返し、一時は別れることも考えた(私の方から)。


 男性恐怖症気味の私は、主人以外と交際経験がない。男性恐怖症と言っても、暴力や怒鳴り声、大雑把な動きや性的な問題がなければ、好きにもなるし、友人にもなれる。例外的に、何故か主人にだけ男性恐怖症の症状を発症することがなく、普通に恋愛し、結婚するに至っている。


 話が前後して申し訳ないが、それでも交際中は人並みに性的興味心はあり、交際して一年足らずでセックスレスになってからは、他の男性と付き合ってみたいと思ったこともある。


 ありがたいことに、都度都度、モテ期が到来する。しかし相手は、もともと友人だった人ばかり。しかも私には彼氏がいる。そしてやはり、男性から異性として告白される(性的対象に見られる)と、男性恐怖症を発症し、疎遠になるということの繰り返しだった。


 私にとって、現在の主人が初めての相手で最後の相手になる、ということである。


 だが、交際中は、本当に彼氏が最初で最後の男になってもいいのか? と自問自答していた。


 他の人とのセックスは、どんな感じがするのだろう?


 そう考えたことはザラにある。赤裸々な話であるが、私は主人とのセックスで満足したことがない。なので、友人達の話を聞いていると、いいなぁと羨ましく思っていた。――このエッセイを読んでいる人たちはどうなのだろうか?


 最近、セックスレス問題の記事をたまたま拝読し、女性器は使わないでいると劣化する、と医学的に証明されていると知った。


 日本では、『デリケートゾーン』などと呼ばれているが、女性器は子供を生むことができる強靭な器官であり、本来は柔らかく弾力があるというのだ。そんな器官を使わないでいるとどうなるか? 血液の循環が悪くなり、生理痛の悪化、腰痛に頭痛、子宮脱という病気になると言うのだ。そして何よりも驚いたのが、男性器を受け入れられなくなる、ということだ。――けれど分かる気がする。


 女性は誰でも最初は、男性器を受け入れるのが痛かっただろうと思う。中には、性器同士の大きさが合わず、セックス自体できないカップルもいると聞く。


 『女としてセックスができなくなる』


 そんな記事を読んで、私は途端に不安になり、悲しくなった。今の主人と一緒にいる限り、私は女性としての幸福を得られず、ついには行為を行うことすら不可能になるのか、と。


 私は今、うつ病を患っている。うつ病の治療を初めて五年以上経過しており、こうして文章を書けるようになるまで回復しているが、社会復帰(肉体労働)はできない。そして、前述の子宮内膜症による性交痛と、うつ病及び抗うつ剤の投与の影響で、性的欲求はゼロに近い。性交痛を考えるとセックスを忌避したくなるし、主人に求められたら嫌悪感を抱くだろう。


 けれど思うのだ。――女性として、いつまでも輝いていたい、と。


 そう考えると、いつかの時のために、膣トレーニングをした方がいいのだろうか? とも思う。……可能性はゼロに近いが。


 しかし、私の女性器は、子宮内膜症の痛みで悲鳴を上げている。そして、将来的には、ガン予防のために摘出せざるを得ないだろう。そうなれば、性交痛はますます酷くなり、セックスをするなど夢のまた夢になる。それに、セックスをするしないに関わらず、血行不足のせいであちこちにガタがきたり、子宮脱になるのは避けたいところだ。


 記事で紹介されていた、卵型のボールを使う膣トレーニングにはかなりの抵抗があるし、痛そうで怖い。けれど、ヨガならできる。肉体的健康の為にも、ヨガをした方がいいかもしれないと思いはじめているところだ。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?