松尾月乃
ホラー怪談
2024年12月12日
公開日
13万字
完結済
時は西暦2078年。一年前に就任した内閣総理大臣は日本初の女性。高松菫という総理はとんでもない極秘プロジェクトを進めていた。
主人公、渡倉真心は二十歳の女子。ある日、独り暮らしするアパートのポストに入っていたチラシに目が釘付けになる。
『時給三万円』
真心は時給三万という破格の仕事をするため、指定された日に横浜港へと向かう。
そこから船に乗り、たどり着いたのは、不思議な島だった。
渡倉真心、そして総理の妹、高松薊、鷹、囚人の三方咲苗の四人の視点で話は進む。
死刑制度と社会のあり方、そして、目をそむけたくなるような拷問。
永遠の苦しみか、自ら選ぶ死。選択肢はその二つのみという絶望の島で起こるハードSFホラー作品‼️
序章、胡乱《うろん》な島
序章、胡乱な島
「耐え忍ぶ生と自ら下す死、どちらを選ぶか決断せよ」
抑揚のない声が響く。その言葉を無表情のまま聞く者、涙ながらに聞く者、光を失った虚ろな眼でもはや声など届いていないような者。
彼らはこれから始まる地獄を知っているのか否か、誘導されるがままにその島へとおろされた。
歓迎するかのように上空ではアホウドリが鳴き、熱気を帯びた風が彼らの足元をかすめていく。
「期間は無制限だ」
無制限ということは、つまり何らかの形で亡くなるまで、それは続く。