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ー優大ー君の大切なブレスレット1

やった! 可愛い真希ちゃんの連絡先、教えてもらっちゃった。それに面白いことがもう1つあるんだ。

まさか、また会えるだなんて思わなかった。


「ねえねえ、あっくん。居るんでしょ? 」


優大、お前どういうつもりだとあっくんが睨みつけてきた。


うわあ凄い怖いな。怒ってるところ。

あっくんがそんな風に感情的になるなんて珍しい。

いつもドライな感じで、人に対して関心が無いように見えるのに。


面白くなってきたな。僕、性格悪いね。

人を怒らせて楽しんでる。凄く楽しい。


ブレスレットを見つけた途端、綺麗だなとも思ったけど、すぐにあっくんが居るって気づいた。ブレスレットから気配がしたからね。


だって僕、実は霊感が強いからさ。なんか分かっちゃったんだ。


あっくんが居るなんてびっくりだ。


久しぶりだから、たくさん話を聞きたいし。


だから連れて帰らなきゃってね。そう思って真希ちゃんから奪った水晶のブレスレット。

虹が見える箇所があって、天使の羽と言われてる部分も綺麗。


きっと大切にしてるんだろうなって。だって、僕の知ってる水晶のイメージより、ずっとキラキラしていて艶もある。



あっくんが不機嫌そうな顔してるの面白い。

そんな表情でも顔が整ってるから、良いよな。



美男子って言葉がまさに似合う。

鼻筋が通っていて綺麗な二重。

薄い唇に色気を感じるし。


ああ、もう。

男前ってずるいよ。どんな顔したって許されるんだから。

近くに居るあっくんを見てると、かっこいいと思う。


『真希に手、出さないで。俺の大切な人だから』


そう言うんだから、本当に心からそうなんだろうな。

今まで女性と付き合っても、そんな情熱的な事なんて無かったのにね。


彼は自分から告白するなんて全く無かった。交際を申しこむのはいつだって女性からだ。なかなかに罪な男。



いいな、真希ちゃん。ますます欲しくなってきた。

人のものって羨ましく感じるよね。あっくんのものなら尚更、欲しい。



「えー?真希ちゃんと付き合ってるの?」


そんな訳無いだろうけど。だってあっくんは……


『付き合ってない。でも真希を愛してる』


付き合えないよ、死んでるんだからね。

真希ちゃんが幽霊となんて、あるはずがない。

分かりきってるけど、彼がどれくらい本気か知っておきたかったから聞いてみた。



「真希ちゃんを愛してるんだね。でも」


本当の事を言ってあげなくちゃね。

絶対に結ばれることなどないって。


それにどんなに本気だとしても、その気持ちは真希ちゃんを不幸にさせる。必ずね。


真希ちゃんの幸せを願うなら潔く身を引くべきだと思う。


僕、勝ち目あるじゃん。

あっくんは僕よりかっこいい。でも、死んでる以上選ばれないよ。

無理だね。悪いけど諦めてもらおう。


「あっくん。はっきり言うけど……」


『分かってるよ、そんなこと』


はっきり言う前から、理解出来てるなら諦めれば?

そう笑った僕に、彼は更に怒った。

沢山、怒り狂えば良いんだよ。きっと、その後に現実を知って虚しくなるだろうから。


あっくんが大切にしてる真希ちゃんを奪う。

彼はもっともっと虚しくなるね。

最高な気分になれるだろうな。


僕のものになった真希ちゃんの事、どうにかしちゃったら……想像しただけで興奮しちゃうね。


あっくんには出来るはずがないよ。真希ちゃんを恋人にするなんてさ。


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