嫉妬深いとそのうち嫌われてしまうかもしれない。
いや、むしろ今までよく嫌われずに済んだよな。
運が良かったからなのか、隠すのが上手いだけか。
必死に本性を見せないようにしてるだけなんだけど。
いつか、彼女が離れていく気がしてならない。
こんな俺を好きになるはずがない。
真希の好きでさえも、全部自分だけにして縛り付けたいなんて。
いくらなんでも自分勝手過ぎる。好きくらい自由で良いはずなのに。
それを平気で踏みにじる奴になんか、なりたくない。
自分のせいで真希から笑顔が消えたら嫌だ。
いいんじゃない?
めちゃくちゃな彼女も、見てみたくない?
心の声がそう言ってる。
やめろ、気づかない振りをしてるんだから。
何で居るんだよお前。ふざけないでくれ。
そんな風にするなんて嫌だよ。
知らない。汚いどろどろした、どす黒い感情なんて。
早く消えてくれ。居ない。
そんな悪い俺なんて存在するはずない。
海が終わり、次に流れたのはロマンスとグロテスク。
今の気持ちと歌詞が重なって、俺はまた笑う他なかった。
何でこんな歌書いたんだよ、今まで妄想だったのに。でも今は現実だ。笑うしかないだろ。
ーー絶対に離さない ロマンスとグロテスクが交わる俺の中で お前を壊したい 強く愛してるのに 届かないのは何故 堕ちてしまえばいい 何もかもーー
自己嫌悪で本当に消えたくなる。
嫌な俺を真希が知ったら、どう思うだろうか?
いっそのこと、らしくないって笑いとばして欲しい。
俺のキャラは何にも考えてなさそうな奴なんだから。流されるだけの人間なのだから。
いや。もう、違うんだ。
新しい自分の存在に気づいてしまった。
悪い男で、グロテスクな奴。
真希が頭の中で、淫らにとろけてる。
獣みたいな俺にぐちゃぐちゃにされて。
あはは、最低過ぎる。何でおかしくしてしまうんだ。
自分をグロテスクに思わずにはいられない。気持ち悪すぎる。
胸がこれ以上ないくらい痛いはずなのに。
ずぶずぶな快楽へと
彼女を自分の欲望で汚し《けが》したい。
そんなしょうもない考えを抱いてしまう、いやらしい俺が居るなんて。ああ、消えてしまいたい。