4. 鉱山探索
「……よし、わかった。引き受けてやろう」
「本当ですか!?ありがとうございますロゼッタ様!」
「ただし、条件があるのじゃ。ワシたちが魔物の活発化の原因を探る間、ミルディに優秀な魔法鍛冶をつけてやってくれぬか?ミルディは素質はある。魔力のコントロールが苦手なのじゃ」
「えっ……ロゼッタ様……あたしのために?」
ロゼッタ様はそう言ってミルディをギルフォード様の前に連れていく。するとミルディは急に前に立たされて困惑していたのです。しかし、そんなことは気にせずロゼッタ様はギルフォード様にこう言ったのです。
「それとギル坊。出来れば『メルティアの魔法技術』も教えてやってほしい。ミスリルを加工したいのでの」
「えっメルティア!?」
「ミルディ。有名な方なのですか?」
「有名どころじゃないって!世界で3本の指に入るくらいの伝説の魔法鍛冶屋だよ!そんな魔法技術をあたしが……」
「良かったねミルディさん!」
こうしてロゼッタ様の条件によって私たちはその問題の鉱山へと向かうことになったのです。ギルフォード様が用意した馬車に乗って私たちは鉱山へと向かっていたのです。私たちの他にはギルフォード様が雇った護衛の兵士さんたちがいるのです。
しばらくすると目の前に大きな山が見えてきたのです。あれが目的の鉱山……マジカリア鉱山なのです。私たちは馬車を降りて鉱山の入り口まで行くとそこには黒いローブを着た一人の男性が立っていたのです。男性はこちらに気づくと軽く頭を下げて挨拶をしてくれました。
彼はこの鉱山を管理している人らしく、名前をガイル・アロウズさんというのです。私は彼に鉱山の状況を聞くと、鉱山の奥の方で魔物の咆哮を聞いたという報告があったらしいのです。
その報告を受けたギルフォード様はすぐに調査隊を派遣しようとしたのですが、その前に私たちがやってきたというわけなのです。何はともあれ、いざ鉱山の中に出発なのです!
マジカリア王国周辺での魔物の活発化の原因を探るため、私たちはマジカリア鉱山に向かうことにするのです!すると鉱山を管理しているガイルさんという方から鉱山の奥の方で魔物の咆哮を聞いたという報告があったらしいのです。
これはもう調査をするしかないのです!幸い私たちの他にギルフォード様が手配してくれた兵士の方もいるので安心なのです!そして私たちは馬車でマジカリア鉱山にたどり着くのです。
「そう言えば師匠。ミルディさんのために国王様に条件を出すなんて凄いなぁ。ボク尊敬しちゃうよ!」
「ギル坊はワシの弟子みたいなもんじゃ。あのくらい問題にならん。条件ってものじゃなかろう。それにワシの言ったことは本当の事じゃ。ミルディが魔力をうまく使いこなせれば強い武器など錬金釜だけに頼らんでも作ることができるじゃろ」
「でもミルディのためにっていうのが、ロゼッタ様の優しさなのです!素晴らしいのです!」
「はぁ!?ワシたちの目的はミルディに「ミスリル」製の武器を作って貰うことじゃろ!優しさとかではないのじゃ!恥ずかしい事を言うでない!」
顔を真っ赤にしてロゼッタ様は杖を振り回しているのです。凄く可愛いのですね。
「それにしても魔物の咆哮……か。怖いよね?」
「その原因が鉱山の奥にいるのです?」
「おそらく間違いないじゃろう。魔物の活発化、大量発生の異変は何かの魔力が影響してるもんじゃ」
鉱山の中は思ったより暗くないのです。これならランタンとか必要なかったですね……しばらく進むと何やら広い空間に出たようなのです。そこには……大きな岩があるだけで何もないみたいですね。
でもこの辺りに何かあるはずなのです!私はもう一度調べてみることにします。すると…… ズドンッ!! 大きな音がして地面が大きく揺れたのです!?一体何なのです!?
「アリーゼ様危ない!!」
「え?」
ドゴーン!!! 私の目の前に大きな岩石が落ちてきたのです。そしてその衝撃で足場が崩れてしまいました。どうやら先程の音はこの巨大な岩が落下してきた時のものだったようです。そして私の目に映ったのは先ほどまであった道が消え、目の前にぽっかりと穴があったのです。これじゃ進めないのです……私たちは何とか無事だったのです……良かったのです。
「危なかったのです……」
「ん?アリーゼ!気をつけるのじゃ!」
ロゼッタ様の叫び声を聞いてすぐに異様な気配に気づくのです。辺りも不気味なほど静かすぎる……そう思って私が目を凝らすと……土埃の先に信じられない物が見えたのです!なんとそこには巨大なドラゴンがいたのです。